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県防災会議原子力防災部会を傍聴して要望を出しました

6月22日に「平成24年度 第1回新潟県防災会議原子力防災部会」がありました。
会議資料がまだアップされていません。のりしだい、紹介します。

議題は「新潟県地域防災計画(原子力災害対策編)の修正について」でした。

*「新潟県地域防災計画(原子力災害対策編)」について
新潟県には、同一サイトでは世界一の発電量をもつ東京電力柏崎刈羽原子力発電所があり、定期的に核燃料輸送(あなたの家の前を核燃料を積んだトラックが走る!)もありますから、あれやこれや、原発関連の事故に備えて防災計画が定められています。

2007年の中越沖地震を契機に、県はそれまでの防災計画を、原発と自然災害等が同時に発生する「複合災害」に対応するものに作り直し2009年9月に完成させました。

中越沖地震での原発被災を重く見た保安院も、複合災害に適応しうる防災計画作りに着手しましたが…じきに断念、やめました。理由は「立地自治体から『地震が来ても大丈夫、と言ってきて今さら地震で事故が起きたらなんてことを言われても困るよ。住民が騒ぎだすじゃないか。地震と事故が同時に起こるなんてアリエナイことになってんだから』といわれたから」とのこと。これまた、「安全神話にかなしばり」の一例です。

新潟県は出来上がった複合災害対応型防災計画に基づいた避難訓練を2010年11月に実施しようと計画を保安院に提出したところ「NG」がでました。なんと、なんと「地震と原発事故はアリエナイのだから、そういう想定の避難訓練はダメ!」しかたなく県は、地震と大雪の想定で避難訓練をしたのです。5号機を背中にしょって暮らしている姉(刈羽村に住んでいます。5号機は直線で1.5キロほどです)は「刈羽は海岸線にあるから雪はそんなに降りっこないのに」と言っていました。柏崎市長は「次回は地震と原発事故を想定した避難訓練をぜひ実施してもらいたい」とコメントしました。「安全神話にかなしばり」で、立地住民の避難訓練もままならなかったのです。

全国立地自治体でこのタイプの防災計画を持っているのは新潟県だけです。つまり、やでも、やでも(新潟弁でどうしても。無理を押して、とか、ごり押しして、といったニュアンス)再稼働だと準備に入った大飯原発の立地自治体福井県には、地震と原発事故が起きたらどーする、との防災計画が定められていないのです。ホント、まったく、どーするんだろ?そういう事態になったら、福井県民の安全を守る計画すらないのです。これは、もう冗談じゃありません。

* そして東電福島第1原発事故…新潟県は複合災害対応型防災計画を過酷事故対応型に修正すべく昨年11月に「柏崎刈羽原子力発電所の過酷事故時における対策の考え方 事務局素案」を提起し、防災会議原子力防災部会で検討、パブコメを募集し、今年3月に「事務局素案・修正版」を提起、防災会議原子力防災部会を経て、6月22日の「平成24年度 第1回新潟県防災会議原子力防災部会」で「事務局暫定案」が提起・審議されました。

「事務局暫定案」は下記のURLをご覧ください。
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/516/248/vol.111.pdf

* 1時間半ほどの会議を傍聴して、いくつかの問題点について県に要望を出しました。

2012年6月23日
原子力安全対策課長  須貝 幸子 様
                             
いのち・原発を考える新潟女性の会
山内悦子 大野和 佐藤早苗 
桑原三恵 本間伸子 樋口由美子
連絡先 桑原三恵
新潟市西蒲区巻甲756-15
TEL 0256-72-5091

 
 6月20日には、要請へのご回答をありがとうございました。
昨日の「県防災会議原子力防災部会」を傍聴させていただきました。東電福島第1原発事故を踏まえての計画修正とのことですが、7基が並ぶ柏崎刈羽原発で複数基が同時に制御不能となった場合、その被害の甚大さは福島第1原発事故をゆうに超えることが予想されます。県民の暮らしといのち、恵みを得てきた新潟の大地と海を失うことのないよう、最悪を想定した実効性のある防災計画を策定する重い責務が県当局にあるのだと考えております。
今後パブリックコメントを募集するとのことですが、募集に際してご検討いただきたいこと、防災計画策定を待たずに前倒しで実施していただきたいことについて、以下の要望を提出させていただきます。ご検討をよろしくお願い申し上げます。



(1) パブリックコメント募集に際しての要望
① 6月22日の防災会議で説明された「主な見直しポイント」だけでなく、各章各節の修正のポイントを分かり易く提示してください。
② 「県内全域」と「広域的な」の文言を整理してください。たとえば、第2章第10節で「県内全域における環境放射線モニタリングを実施し…」とあるにもかかわらず「主な見直しポイント」では「広域的な環境放射線モニタリング体制の確保」となっています。
③ 防災対策実施地域については、東電福島第1原発事故の実態に基づくことが求められています。実施地域を県内全域に拡大したこともそこに根拠があるものと理解します。その観点からすると修正で示したPAZ,UPZ, PPAの区域設定は事故の実態から遠いものとなっています。以下のように修正したうえでパブリックコメントを募集してください。
   PAZ: 少なくとも20㎞圏内とすること
   UPZ: 少なくとも50㎞圏内とすること
   PPA: 県内全域とすること
④ 避難判断に関する会田柏崎市長の質問に対して須貝課長は「実測と予測の併用」と回答されましたが、第3章第6節75ページの「(2)…事故の不確実性や…対応する」では、計測可能な判断基準が主で、予測線量等が従とされています。それでは、前段の「事故の不確実性や急速な進展の可能性等」に対処できず、併用の趣旨もいかされない可能性が生じます。実測と予測を避難に最大限活用する趣旨からすれば「…可能性等をふまえ、計測可能な判断基準を参考に、住民の被ばく線量をできる限り抑えるために、…勘案して対応する」等、避難判断において実測・予測をそれぞれ最大限活用することを明確に表してください。会田柏崎市長の「被ばくする前の避難が重要」との指摘を重く受け止めてください。10万人に及ぶ市民のいのちを守らねばならない市長の思いは、250万人のいのちをあずかる県当局が共有せねばならないものと思います。
⑤ 第3章第6節82ページ コ「なお、受け入れ市町村は、避難所の運営にあたり」の「…男女の違い、人権の保護等…」については表記の順番の整理が必要と思われます。避難所運営の基本方針として人権尊重ないしは人権保護を最初にあげてください。
⑥ パブリックコメント募集に際して、県内各地で「修正」についての説明会を実施してください。
 
(2) 防災計画策定以前の、前倒し実施の要望
① できるだけ速やかに県内全市町村モニタリングポスト設置を完了してください。
② 広域市から順次、モニタリングポスト複数基設置を実現してください。
③ できるだけ速やかに県内20歳以下の全ての青年、子どもたちに配布できる量の安定ヨウ素剤
を備蓄してください。保管場所については、緊急時に迅速に配布、服用できるよう整備してください。

                                  以上


*私たち「いのち・原発を考える新潟女性の会」は、東電福島第1原発事故の教訓の1つとして、県の原発行政への県民参加を実現していかねばならないと考えています。

原発はたしかに難しく、わかりにくく、やっかい…なのですが、そういって専門家に任せておける問題では決してないと思うのです。なぜかといえば、原発のありようは、私たちの暮らしといのち、環境に、つながっています。過去も未来も含めて生活が根こそぎ奪われるさまを私たちは目の当たりにしました。

むずかしいけれど、やっかいだけれど、原発がどうなのか、私たちは子どもたちの現在と未来をかけてしっかり点検し物申していく必要があります。それを可能にするシステムを県や市町村に作り、私たち市民が原発を点検し物申す権利とそれを行政に生かす手立てを保障させねばなりません。

6月20日の要請に対する県側の回答では、傍聴による会議の公開やらパブコメやらで済ませようとしているようですが、私たちが要望しているのは、一方向ではなく双方向のコミュニケーションです。それを可能にする会議への県民参加であり、質疑応答を保障した説明会の実施です。

*そのうちにパブコメ募集も開始されるでしょう。今後、暫定案の問題点特集を載せたいと考えています。


私のいのち、家族や友達のいのち、読んでくださっているあなたのいのち。いのちを預けていいと心底私が思うのは、佐渡と相模原で暮らす2人の子どもとつれあい。みしらぬ人にいのちをあずけるわけにはいきません。まして、東電や野田さん、枝野さんになど、決して決して!

いのちは自分が守るしかありません。危険に対して身を守る、この営みの連続で2012年6月23日、私たちは生きています。


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県への要請報告ー県知事様、事故をとおして得た原発行政のキーワードは?

お元気にお過ごしのことと思います。6月の台風、雨、風、いかがでしたでしょうか。
こちらは、進路からはそれていましたので、余波ていどですみました。

ちょうど野菜や果物が育つ時期ですので、農家の方々はずいぶん心配されたようです。今朝とりたてのトマトやきゅうりを売りに来られた女性は「台風が来たてば、農家は命がけだ」と言っておられました。

TVは、聖篭町のサクランボ農家が収穫時期を迎えたサクランボが心配で「眠られなかった」と報じていました。幸いサクランボは強風に耐えて無事だったとのこと、よかったです。

聖篭町のサクランボ、今年も兄が送ってくれました。ルビー色といいますが、本当につやがあって透明で見とれるような色合いです。今年は、ことのほか甘いようです。
リンゴや桃に比べればうんと小さくて、そのかわりつるが長くて、そのつると小さな実のバランスが何とも言えずおちついてかわいいです。種をのぞけば1粒の食べられる部分はわずかなのですが、のどを通るサクランボは今年も6月がめぐってきたことをつつましやかに教えてくれています。

サクランボといい、今朝買ったもぎたてきゅうり、トマト、ほうれん草、きぬさや…みーんな自然の恵みです。去年の3月11日まで、私たちはどれほども思い悩まずに自然の恵みをあたりまえのこととしていただいてきました。今朝も私は、幼かった頃母が“まわってくる八百屋さん”からとりたて野菜を買ったように、少し欲張って籠いっぱいに買ったのですが、思ってしまうのです。

 こんな新鮮な野菜をいつまでも食べられればいいけれど。柏崎刈羽原発が事故を起こせばどうなるんだろう、この野菜や作っている農家の人達は…

去年、最初に出荷制限されたのがほうれん草だったなあー…
デモのとき、シンタロー君が「ホーシャノーよりホーレンソー」と書いたプラカード持ってたなー…

 新潟の汚染は少ないっていうけれど、ゼロではないんだよなー、 とか…

私たちの毎日の根本を支えてくれているものはお金なんかじゃありません、自然の恵みです。自然の恵みを断たれれば、野田総理も枝野経産相も経団連米倉会長だって、生きていけなくなるのです。次代を担う赤ちゃんも自然の恵みに囲まれてすくすく育っていくのです。だから今を生きる私たち全てが共に一人残らず守らなければならないのは、自然の恵みをはぐくむ空・大地・海ではないでしょうか。

空・大地・海を汚すことなく次の世代に渡していくことは、私たちのいのちを守ることであり、これからのいのちを守ることです。

空・大地・海を汚さない―これが、野田総理も枝野経産相も経団連米倉会長、もう一人仙谷政調会長代行も含めて私たち全員が共通に持っている倫理であり、責任です。産業経済が飽和状態にまで進んで出口をふさいだかのようなゆがんだ現在を立て直すためのキーワードでもあると思うのです。

東電福島原発事故は、この共通倫理を根こそぎなぎ倒しました。
事故が言っています。

 「あんたたちがいくらどんな“倫理”とやらを持ったって、もう一方の片手に私ら原発君をのせていればそんなものいっぺんに吹き飛ばして見せる。この地球は私らが溜め込んだ放射能君のものなのさ」

大飯原発は、全て無策をきめこんで最後に「あんたたちの生活守るためさ」と“盗人たけだけしい”野田総理によって再稼働され、問題多い原子力規制委員会設置法も成立してしまいました。

腹立たしさと焦燥でうなだれてしまいそうなのですが「ため息ついたら、前を向け」です。権力に立ち向かう有効な力は持続力です。続けること、疲れたら一休みしながら絶対止めないこと、自分の主張を放棄しないこと、あきらめないことです。

昨日6月20日、「届けましょう、私たちの声を!」の最後のアクションとして県に要請に行ってきました。

*県への要請
日時: 6月20日(水)13:30~14:10
場所: 県庁2階防災局ミーティングルーム
県当局出席: 須貝原子力安全対策課長、熊倉広報監、他3人
いのち・原発を考える新潟女性の会スタッフ 大野、山内、本間、桑原

*要請のポイント
 
6月1日の経産省と東電本社への要請は、私たちの会の基本スタンスを両者に向けて公表する、いわば“宣戦布告”というか“果たし状”というか、まあどちらの表現も、袴を着て頭にはきりりとはちまき、なぎなた担いで乗り込むという超アナクロふう言い回しなのですが「いいかい、よくお聞き!これが私たちの生きる道。ちょっとやそっとじゃ引っ込まないからね」と言うものでした。

それに対して県への要請は、柏崎刈羽原発の再稼働はありえないし、認めえないことをベースに具体的な内容にしました。

① 県原発行政に県民を参加させること。

具体的には、技術委員会のメンバーに県民をいれること、です。

技術委員会というのは、2002年の“東電原発のトラブル隠し”をきっかけに、東電や国の調査・報告の妥当性を県独自に検証するために立ち上げられた専門家集団(現在の委員数は12人)の委員会です。中越沖地震後、設備耐震性小委員会と地震地盤小委員会も設置されました。

中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発はすでに4基が地震後の点検、補強工事を終了し、つぎのプロセスを経て、再稼働されました。
 
 東電が点検 → 東電報告を保安院・原子力安全委員会が点検 → 県技術委員会が東電、国の報告を独自に点検 → 技術委員会が妥当と認め → 技術委員会の報告に基づいて、知事・柏崎市長・刈羽村長が再稼働に同意

つまり、技術委員会の報告は知事・市長・村長が再稼働を認めるかどうかの判断根拠です。上記のプロセスは、今回大飯原発再稼働で西川福井県知事がたどった経過と同じです。

再稼働判断の根拠とされる技術委員会は、12人の委員のうち原発に批判的な委員は1人だけ(立石雅昭新大名誉教授)です。いわば、批判・異論を排除し、市民も排除し、閉じられた空間で東電・国の報告をうのみにして報告をまとめてきました。純粋に技術的・科学的議論がほとんどないまま、4基が再稼働されたのです。

東電福島原発事故をとおして、批判・異論を排除し、市民の視点による指摘を無視してきた国等の委員会のあり方こそが「安全神話」を作りだし事故を招いたことが明らかになりました。

であれば、事故の教訓を生かし二の舞を踏まないために、委員の人選を配慮しなければなりません。
事故後明らかになった国等の委員の利益相反(電事連やメーカー企業等から寄付を受けながら、電力会社等のチェックを任務とする委員会の委員となっている。そのばあい、電力会社やメーカーに有利な判断をする可能性がありうる)の問題が委員の人選に係ってきます。

朝日新聞3月25日の報道によると、福井県の安全専門委員会(新潟県の技術委員会に相当する委員会)の12人の委員のうち5人が電力側から2006年から2010年までの間計1500万円の寄付を受けていたとのことです。

該当の委員は寄付をもらったことを認め、それで影響を受けることはありえない、なんらやましいことはない、と口々に弁明しています。

本当にそうかどうかは、よほどのことがない限り、たぶん本人以外知る由もないでしょう。でもそういう事実が公表されることは、該当委員だけでなく他の委員にも襟を正してのぞむというモラルアップにつながります。

保安院の委員会委員は、自発的に申告することになっています。自発的ですから、しなくてもよいのですが、申告せずにいて問題になった時、委員が受けるダメージは大きいです。

いくら専門性が高くてもしょせん人間です。たんとお金をもらってしまえば、文句も言えないような気分になったり、次もお金をもらうために相手が望んでいるようにしてやったり、ということが起きてくるのです。それを防ぐ方策を国や県がきちんと制度的に確立しておくことは、委員会の信頼度を増し、社会的な意味合いを確立するために必要なことです。

福島事故後、国や県の委員会の公正性を抜本的に高めることが要請されています。だれに要請されている?もちろん、国民や県民から要請されているのです。県は県民にたいして技術委員会の公正性を高める責務を負っています。何らかの方法で、委員の利益相反について調査し報告する必要があります。

技術委員会についてはもうひとつ、県民を委員に加えて“ずぶの素人”の視点で東電・国の報告を点検するありかたを実現する必要があると思うのです。

「そりゃ、無理だよ。素人が点検するなんて、難しすぎるよ」との声が聞こえてきそうですが、問題はそこなのだと思うのです。私たちにはむずかしすぎるから専門家にまかせておけばよいのでしょうか?

何もしらされないまま、たぶんきっと大丈夫なのだろうと思わされて、福島の方々はそれまでの穏やかな生活を過去も未来もひっくるめて奪われてしまいました。もっとよくわかっていたら、知らされていたら…との思いがきっとおありだろうと思うのです。

1企業が、事故が起きれば取り返しのつかない被害を広大な地域にもたらす施設を置かしてくれというのですから、私たち県民には「わかるように説明してくれ」という権利と「納得できないから動かすのは止めてくれ」という権利があるはずです。それは憲法で保障されてもいます。唯々諾々と言いなりにならなければならない理由など、どこを探してもないはずです。

技術委員会に県民を入れることで、分かりやすく県民に説明するという県の任務もより効果的に実現できます。

繰り返しになりますが、技術委員会に県民を入れるということは、県民を別室に入れたまま特定の一部の人々だけで原発行政を決めないでくれ、ということです。その主張の根拠は、事故がおきれば私たちの生活・命ばかりか、未来世代のいのちにまで被害が及ぶからです。

いのちの問題は、ひとまかせにはできません。私たちは命を守らねばならないのです。

②もう1つのポイントは防災計画策定についてです。

主張は、被ばくしないで避難できる計画を策定するべきということです。そのような計画はできるでしょうか?できなかったら、原発は止めてくださいも含めての主張です。

県は被ばくしないで避難できるかどうかを、県民にはっきりと示すべきです。それは、原発再稼働を認めるかどうかの重要なポイントだからです。


*知事あてに提出した要請書です。

2012年6月20日
新潟県知事     泉田 裕彦 様
                             
いのち・原発を考える新潟女性の会
山内悦子 大野和 佐藤早苗 
桑原三恵 本間伸子 樋口由美子
連絡先 桑原三恵
新潟市西蒲区巻甲756-15
TEL 0256-72-5091

 日頃県民の安全安心のためご尽力いただき、感謝申し上げます。
東京電力は、去る5月9日に国が認可した「総合特別事業計画」にそって2013年度から現在停止中の柏崎刈羽原発全機を順次再稼働するとしています。また再稼働がなければ電気料金値上げ幅は上がるとも伝えられ、今後ありうる再稼働強行に強い懸念をおぼえております。
「いのち・原発を考える新潟女性の会」は2009年からこれまで柏崎刈羽原発及び福島第一原子力発電所事故に係る諸問題について11回の学習交流会を重ねてきました。会の活動を通して得た見解をもとに6月1日に経済産業省と東京電力本社に、別紙のように要請してきたところです。
世界に例をみない震災原発である柏崎刈羽原発の一刻も早い閉鎖を求めながら、当面は膨大な数の核燃料、使用済み核燃料を抱えている柏崎刈羽原発の事故の可能性を鑑み、以下の3項目を新潟県民有志の「声」を添えて、要請いたします。新潟県民ならびに県内に避難しておられる原発事故被害者の皆様方に真摯に向き合い、ご回答いただきますようお願い申し上げます。





1 以下の理由で柏崎刈羽原発の再稼働はありえないと考えます。貴職には、県民の安全安心と環境を守る重大な責務があります。将来にわたって県民の暮らしと豊かな自然を守るために、再稼働を認めないでください。
①世界で例をみない震災原発である。
②地震後の機器設備の点検は極めて不十分である。
③原発建設には不適切な地盤である。
④地震・津波の想定は信頼できない。
*海域活断層の連動評価におけるF-B断層の除外
*県内11地点で行った津波堆積物調査結果についての専門家からの指摘
⑤ 脆弱な機器設備がある。
*1号機原子炉格納容器スタビライザと7号機原子炉基礎アンカボルトの耐震強度
*1~5号機の格納容器
⑥ 運転管理能力に大きな問題がある。
*事故原因究明を欠き、事故を過小評価し、情報開示が十分になされていない。
*放射性物質の管理がずさんである。
*被害者に対して十分な賠償をしていない。
*ミスがあいついでいる(ストレステスト1次評価報告書239箇所、機器の点検漏れ、5号機の保安規定違反の報告書の不備)
*財政危機のなか大幅なコスト削減を要請されている状況では、十分な点検・メンテナンス・人員配置等に懸念がある。
*次期社長(広瀬直己常務)に、安全を最優先した原発の運転を期待することはできない。
2 「県民・未来」をキーワードに、技術委員会並びに2小委員会の公正性・透明性・公開性をさらに強化してください。

①技術委員会並びに2小委員会の全委員の利益相反について、調査し結果を公表してください。
②「技術委員会要綱」第4条(任務)に、県民に対して分かり易い説明をする主旨の項目を追加してください。
③技術委員会を県民に開かれたものとし、原発の安全性に係る情報を広く県民が共有できるよう、技術委員会に県民を複数名参加させてください。なお、複数名には、女性、青年層の参加を配慮してください。
④知事は3月22日に技術委員会座長に東京電力福島第一原発事故について技術面のみならず、意思決定過程や法制度等も含んだ検証を正式に要請されました。以後2か月以上経て、いまだ県民には検証の詳細が明らかにされていません。このこと自体が、現在の技術委員会が県民との接点を欠き、内向きとなっている証左ではないかと考えます。現時点での報告を早急に実施してください。


3 県民の意見をとりあげ、実効性を確保した「新潟県地域防災計画(原子力災害対策編)」を改定してください。

①改定の具体的なスケジュールを示してください。
②事故のため県内に避難しておられる皆さまの避難体験談を聞く会を、県内各地で開催してください。
③県民の意見・要望を聞くために県内各地で「防災計画策定タウンミーティング」を開いてください。
④被ばくせずに避難できる計画を策定してください。
⑤「絵に描いた餅」のような計画ではなく、県民が安全に避難できると実感できる防災計画を策定してください。
⑥防災計画の実効性を避難訓練で確認してください。
⑦県内全域で定期的に避難訓練が実行されるよう、県の基本方針を具体的に策定してください。

以上

*県(須貝課長)からの回答

・知事は福島事故の検証なしに再稼働はありえないとしている。
・県民に対するわかりやすい説明は工夫をしていきたい。
・技術委員会による「福島事故の検証」の検証については間もなく明らかにする。
・防災計画のスケジュールは間もなく明らかにする。
・県民の意見・要望はパブリックコメントで聞いていく。
・「絵に描いた餅」のような計画にしないということは県も十分考えている。市町村と検討を重ねながら、計画を順次示していく。

これらの回答は、一言で言うと、「これまでと同じ、改善することはありません」、なのです。

「間もなく」とは?と尋ねると「今月中くらいに…」とのこと。正式発表があるまで正確には答えられないのはわかるのですが。

県民への説明の工夫も、具体的にはこれまだやってきた県民から質問をよせてもらいネットに回答を載せるということで、それ以上の工夫は目下なし。

県民参加はかなりハードルが高いようです。今までを超える一歩も出ないという印象でした。

*回答について、会のスタッフが意見を述べました。要旨です。

・原発事故は普通の事故とは違う。実体験をきくことで、私たちは具体的なイメージを持って考えられる。ぜひ「体験談を聞く会」を開催してもらいたい。
・大飯原発再稼働のプロセスをみると、周辺の市長等が主張してもそれは通らなかった。初めから再稼働ありきだった。福井県民は「県民は県から何も知らされないまま知事が判断した」と言っていた。
・核は利用すべきものではない。被ばくの影響はすぐには出てこない。そこが恐ろしいところだ。 原発はやめねばならない。
・文科省がアメリカからの資料を得ていながら避難にいかさず公表もしなかったことが報道されていた。国に情報をきちんと流してほしいと伝えてもらいたい。

*感想とこれからについて

法律にしばられ、条例にしばられている“お役所”が先見的な行政を実現していくことは以前はほとんど困難なことでした。でも最近は、地方自治の実現が求められ、そのなかで自治体が独自な方向と方策で行き詰っている時代と制度を乗り越えようとする動きが出てきています。

国の言いなりに右から左に書類を流し、文句がでれば「法律ではそうなっていますから」などと言う言い訳は通らなくなっています。

取り返しのつかない東電原発事故を体験し、福島の方々の苦難に身近に接し、その方々と共に歩もうとしている多くの県民がいる新潟県です。この事故の教訓を深くとらえて、未来に目をむけながら今県当局として何をしなければいけないか、何ができるかを、私たちの要請を基に考え実現していってもらいたいと思います。

今回も寄せていただいた「声」を模造紙に貼って持参しました。
「声」はまた少し増えて140人の方々からいただきました。改めて厚くお礼申し上げます。

「人のいのちは地球より重いというけれど、寄せられた声を読むとつくづく一人の声は地球より重いと実感する。この声のとおりに国政、県政を実現することは困難だとしても、この声を無視した国政、県政はありえない。しっかりうけとめてほしい」と言って渡してきました。

県や知事あてと明記されたものは知事がより読みやすいようにクリップでまとめて渡しました。

ようやく3月以来、自らに皆様に約束したアクションを終了することができました。これは「いのち・原発を考える新潟女性の会」の、ちょっと気張って漢字だけで言うと「柏崎刈羽原発再稼働阻止」に向けての行動開始宣言です。

次はなにを?-実際考えあぐねてしまうのですが、できることを考え相談し実行します。これが、私の皆様への私自身への2つ目の約束です。

最後までお読みいただきありがとうございました。良い日々でありますよう!(6月21日)

再稼働決定・枝野経産相への抗議文”国民を愚弄するのは止めてください”

2012年6月16日

枝野経済産業大臣 枝野 幸男 様
                             
いのち・原発を考える新潟女性の会
山内悦子 大野和 佐藤早苗 
桑原三恵 本間伸子 樋口由美子
                         連絡先 桑原三恵
                           新潟市西蒲区巻甲756-15
                           TEL 0256-72-5091
 

                抗議文

枝野経済産業大臣、東京電力福島第1原子力発電所事故(福島事故)発生以来、私たち国民はあなたの言動に振り回されてきました。
 
 1 発災直後、あなたはTV を通じて「直ちに健康への影響はない」と事故を過小評価するコメントを流し続けました。その後国会で不適切と指摘されると「実際には数回しか言っていない」と弁明し、TVのニュース等を繰り返し見た国民が誤解したと非を国民になすりつけました。

 2 避難におけるあなたの「とりあえずの避難である、念のための避難である」との説明に住民の皆さんは、長期にわたる避難の準備はせずに避難し、その後の生活に多大な苦労をしました。医療関係の書類がないまま、症状が悪化された方々も出ました。

 3 再稼働強行のプロセスにおいても、4月初めの参議院予算委員会で「現時点で再稼働に反対」と言明しながら翌日には「今日は昨日の段階とは違う」と翻す等、閣僚として信頼に値しない、国民を混乱させる発言を続けました。

 4 先日の「国会事故調」の参考人聴取で、あなたは3月13日の会見時に炉心溶融の可能性を語ったことを根拠に「その後炉心溶融の可能性は否定していない。炉心溶融を大前提に対応していた」と情報発信の妥当性を主張しました。重要な情報を隠ぺいしそのことを指摘されると、非を情報の受け手である国民に持って行く手法は上記1と同様です。

 枝野経済産業大臣、国民を愚ろうするのは止めてください。

 「再稼働は新たな規制機関による安全性の確認が必要」と言うのであれば、大飯原発3,4号機も規制機関による審査が必要です。例外にする根拠は認められません。原子力関係の専門家が皆無である内閣が再稼働について判断できるはずがありません。めまぐるしいばかりに閣僚が交代する内閣がどのような責任を持てるというのですか?

 安全性の軽視は国民のいのちの軽視です。
言葉を弄して強行したした大飯原発3,4号機の再稼働決定に強く抗議し、即刻決定を撤回するよう求めます。

再稼働決定・野田総理への抗議文

2012年6月16日

内閣総理大臣 野田 佳彦 様
        
                             
いのち・原発を考える新潟女性の会
山内悦子 大野和 佐藤早苗 
桑原三恵 本間伸子 樋口由美子
                         連絡先 桑原三恵
                           新潟市西蒲区巻甲756-15
                           TEL 0256-72-5091


 
                抗議文


 野田総理他3大臣による大飯原発3・4号機再開決定を容認することはできません。

東京電力福島第1原子力発電所事故(福島事故)の検証もないまま津波対策のみで安全性が確保されたとする野田総理の判断は専門家から疑義、批判があいつぎ、世論調査の結果に表れているように国民の信頼を失っていることは明らかです。

 世論に反する再稼働を強行するために、野田総理は「日本社会がたちゆかなくなる」と国民を脅し、関西圏から出された提言や全国各地の自治体議会で可決された再稼働反対決議や意見書等を無視しました。これは、民主主義を標榜する政権にあるまじき行為といわざるを得ません。

 福島事故の教訓として当然なされるべき過酷事故対策は先送りされ、一方、おおい町や周辺自治体には十分な防災計画がありません。住民は命に係わる脅威を政府の手で押しつけられています。

 
 以上、総理大臣として国民の生命を守る責務を放棄し、安全性を軽視し、国民世論を無視し、地元住民に不安と危険を押し付けた再稼働決定に強く抗議し、撤回することを求めます。







総理会見発言への抗議文

昨夕(6月8日)の野田総理の会見発言に対する「いのち・原発を考える新潟女性の会」の抗議文です。

2012年6月10日
内閣総理大臣 野田 佳彦 様
経済産業大臣 枝野 幸男 様
        
                             
いのち・原発を考える新潟女性の会
山内悦子 大野和 佐藤早苗 桑原三恵
本間伸子 樋口由美子
連絡先 桑原三恵
新潟市西蒲区巻甲756-15
TEL 0256-72-5091


 
                  抗議文



「いのち・原発を考える新潟女性の会」は、6月1日に経済産業省に出向き6項目を根拠に全原発を再稼働させずに閉鎖することを要請しました。昨夕の野田総理の会見での「国民の生活をまもるために大飯原発を再稼働すべき」とのご発言は、私たちの要請の趣旨を否定するものとして、とうてい認めることはできません。野田総理大臣並びに枝野経済産業大臣に強く抗議し、以下の問題点を指摘し引き続き大飯原発の再稼働断念を求めます。

            <野田総理大臣発言の問題点>

1 安全性判断について矛盾・混乱をきたしており、判断根拠は破綻している。
 ①「安全基準に絶対はない」ことを認めながら、大飯原発が炉心溶融を起こすことはないと断言している。
 ②「安全は確保されているが、安全基準は暫定的なもの」は本来「暫定的な安全基準による暫定的な安全が確保されている」と表現されるべきであり、野田総理の言い回しは国民を翻弄する虚偽表現である。

2 再稼働の根拠を「安価な電気が必要」としているのは、昨年12月の「エネルギー・環境会議」の電源別コスト比較のまとめ(最低でも8.9円、他電源と大差はない)をふまえておらず、国が進めている検討結果を意図的にゆがめ、国民を欺いている。

3 「中長期的に可能な限り(原発を)減らす方向」における「可能なかぎり」は、これまで政権が掲げてきた「脱原発依存」と相いれない結果をうむ可能性を含んでいる。このような二面性をもつあいまいな表現で国のエネルギー政策を語ることは首相として避けるべきであり、言葉のあやを弄しながら政策の変更を強行することはあってはならない。


要請行動報告 東電編 私たちが東電社員に伝えたこと

新潟はよいお天気が続いています。

小鳥のさえずりがあちこちから聞こえてきます。昨日、台所で仕事をしていたら、まじかに雀の鳴き声が。網戸越しに見たら、目の前の物干しざおに止まってしきりに鳴いているのです。まるでよびかけるかのように。そのうちに真向かいにある楓の若葉の中に飛んでいきました。
小さな命と共に暮らしていくのはやすらぎであり、喜びです。

今日は、要請行動報告・東電編です。

巻原発反対運動で、東北電力の巻営業所に“交渉”に行ったことがありました。“交渉”、いかにも活動家風のかたい言葉ですが、中身は質問とお願いです。でも、相手はそのどちらにも、私たちが理解できるようには答えないので、結果何とかして答えさせようとする“交渉”になってしまうのです。

柏崎刈羽原発の地震後の再開問題で、東電の現地サービスホールで東電社員の方々と会ったのは2年位前でしょうか。“交渉”という言葉は“申し入れ”に変わっていました。

1980年代前半からここまで、何回か“交渉”、”申し入れ“を経験しましたが、いずれもそこから何かが大きく打開されていくことはほとんどありませんでした。わずかでも是正させることができれば大成功です。もちろん、それはわかったうえで、”申し入れ”を続けるのです。
問題点を指摘し、改善を求めつづけるために、不毛に近い話し合いを忍耐強く重ねるのです。

今回、私たちは“要請”という言葉を使いました。これまでの11回の学習交流会で得た見解をもとに、東電に求めたいことを“要請書”にまとめたのです。

東電への4項目の要請は、いずれもハードルが高く“言っても無理”あるいは“言っても無駄”…たぶん、そうでしょう。
でも、私たちは心底願うことを、実現の可能性の高低にかかわらず、東電に伝えなければならないと考えました。

きっと“事務処理的な対応”だろうとの予想に反して、経産省のお役人方は、回答はともかく、丁寧に真摯に聞いてくれたという印象でした。こちらも6人全員が一生懸命伝えました。私たちには、相手から何か獲得しようとか、言い負かそうとか、そんな気負いはないのです。経産省まで出かけたのは、ひとえに届けられた声も含めて、私たちの考えていることを直接聞いてもらうためでした。

さて、東電は?

会場は、東電本社から若干離れた「東新ビル」。経産省別館とは打って変わって人気のない玄関を入り、守衛さんに「新潟から来ました…」と言うが早いか、担当の竹内さんが来られました。

「今日新潟にお帰りですか?」「はい…」「じゃあ、新橋から乗っていかれればいいですよ、駅、すぐそこですから。いや、まあ、もう帰る話で申し訳ないですが…」

やっぱり、私たち、かなり“おのぼりさんふう”なのですね。

*いよいよ、要請!
・時間:15:50~16:50  ・会場:東新ビル 1階会議室
・参加: 広報部原子力センター所長 曾田満男さん  〃 課長 竹内謙介さん
  
* 経産省と同様持参した「声」を貼った模造紙11枚をわきのテーブルにずらりと広げ、昨年3月16日新潟日報に掲載されたスクリーニングを受けている赤ちゃんの写真を手に、子どもたちを二度とこのような目にあわせないために来たと、要請書の趣旨を話しました。

* 曾田所長

お出でいただきお話しをうかがう機会のたびごとに、まずお詫びをさせていただいている。本当に申し訳なくお詫び申し上げます。
要請1については持ち帰って社内で検討させていただく。2~4については、ご指摘を受け止めていきたい。
こちらはご意見を聴かせていただく立場、ご質問等も含めてうかがいたい。

* 私たちが訴えたこと

・ 中越沖地震発生の翌日に柏崎刈羽原発(KK)サイト内に入った。道路はすごい段差ができていた。建物の内部も相当やられたはずだ。原発は絶対安全でなければ動かしてはならない。4月に生まれた孫がまた事故に合うのか心配でならない。原発は止めるべきだ。

・ 国の政策で原発の危険を隠して地方に押し付けてきた。見抜けなかった国民も弱かったが、いきるために何が大切かが、東電の土台にすえられていたのか?

・ 東電の姿勢は変わっていない。清水社長の姿勢はなっていなかった。こうべをたれてのお詫びになっていない。表面的おわびにすぎない。

・ 国民にわかる説明をなぜしてこなかったのか。東電は政府の陰に隠れているではないか。

・ 事故の検証も終わっていない、安全性も確認されていないのに、13年度からKKを動かすとは、新潟県民の安全・安心を無視している。
(曾田所長)わが社の事故調査委員会の最終報告書は今月中にだす。

・ 福島の方たちが、自ら命を絶つ状況で暮らしていることがわかっているか?被災した人たちの気持ちになってほしい。

・ 福島のこどもたちが不安の中で生活している。このことを真摯に受け止めて、どうしたらいいのか解決にむかってもらいたい。

・ コスト削減でも平均給与は550万円を超えている。被害者の生活の苦しさを考えると、到底認められない高い給与だ。被害者の苦しみがわかっていない。

・ 東電の謝罪は国民の心に届いていない。礼儀を尽くしたおわびではない。

・ 東電がしていることは、信頼回復どころか、自ら不信をばらまいている。自分自身で首をしめているようなものだ。東電の視線が、被害者や国民に向けられていないせいではないか。

・ 東電の姿勢は事故前とどこが変わったのか?少しも変わっていないのではないか?

・ 自死なさった渡辺はま子さんのご遺族が提訴した時の東電のコメントを新聞で読んで驚いた。「事故で迷惑をおかけした」と。それが家族を失った人に言う言葉か。責任を認めまいとか、賠償を求められないようにとか、そのような発想での対応をしていくかぎり、東電は信頼を回復できず、会社の未来も築いていけないのではないか?

・ 社員の立場をわきにおいて、あなたも家に帰れば家族と生活しているのだから、そこから考えて解決に向かってもらいたい。

・ 人はどのように生活していけばいいのかを考えてもらいたい。被ばく労働者の話も十分に聞いて対処してもらいたい。
(曾田所長)事故後、社員がスクリーニングの講習を受けて、測定技術を身につけ被ばく対策に役立てている。福島の応援にKKからも行っている。経験を共有している。

・ KKの運転で毎日だされる放射能で、桜の木が病んでいる。毎春異常な花が咲いている。ガンの発症率が高いことを地元の人達は心配している。

・ 以前刈羽村にいったとき、80歳代の女性に「ここで生まれた赤ん坊は生まれたその日から放射能入りの空気をすわんばだめら。そんげこと、許されるんだかね?」と言われたことがある。地元の人々を脅威にさらしながら発電して金もうけする、そんなことって“あり”なのか?

・ 東電は最悪の事故を起こしてしまった。二度と事故を起こさないためにも、原発から撤退をして、再生エネルギーの東電として出直したらどうか。

・ KKは中越、中越沖と2度の地震で被災している。普通の家屋でも2度地震でやられれば相当痛んでくるのに、KKは健全だとするのは理解できない。

・ 総合特別事業計画によれば、東電の原子力への対応は政府による議論の動向を踏まえた検討が必要とあるが、次期社長に決まった広瀬常務の「原発新設は国の政策の根幹」等の発言は、それと矛盾している。事故による被害者の苦しみや国民世論を無視した発言を繰り返す人がトップにすわる東電に、安全性最優先の原発稼働を期待することはできない。

・ KKのストレステストの報告書には239ものミスがあり、計器類の点検漏れも続いている。5号機の保安規定違反の報告書は時系列の整理も不十分で原因分析ができていないと保安院に突き返された。これまでにもなかったようなミスや不手際が起きている。東電はどうなっているのか?

・ 「核のこわさ」を知らないことは恐ろしい。福島事故の子どもたちへの影響をとても心配している。広島、長崎の検証がきちんとできていれば、日本は原発に進むことはなかったと思う。行政の責任は大きい。子どもたちを守るのは、私たちおとなの責任である。原発は止めなければならない。

・ KKがとても不安である。福島クラスの事故がKK7基で一斉に発生すれば、福島の何倍もの被害が出る。事故はまぬがれたとしても、いずれ廃炉を迎える。7つもの莫大な量の放射能の塊を東電は何十年もかけて廃炉解体し、何百年と管理し続けることができるのか?原発は止めるべきだ。

・ 私たちの要望に対して、具体的な回答はいただけるのか?
(曾田所長の回答)5月初めに国に認めてもらった「総合特別事業計画」が今後の方針であり、この計画にそって進めていくことになる。これ以外の方針は当面ない。

*およそ1時間、私たちは次々に、東電がいかに被害者をないがしろにし、身勝手な論理で押し切ろうとしているかを、KKを動かしてはならないことを、指摘し続けました。途中、曾田所長が一言つぶやくように言いました「返す言葉がありません…」

最後に「今日は時間と会場を用意していただき、よく話を聞いていただいた。受け止めていただいたと理解したい。ぜひ、会長、社長に私たちの要請をきちんと伝え、この皆さんからの「声」を読んでいただけるようにしてもらいたい」と伝えました。
お二人とも、「ほー!これは、これは!」というような感じで「声」を貼った模造紙を眺めておられました。

*教えていただいたように新橋の駅に向かいました。SLが置いてある駅前広場では、再稼働反対の演説をしていました。

2012年6月1日夕方、新橋駅周辺は大勢の人々が、それぞれの行先に向かって、一人で、連れだって、歩いていました。起きるはずがなかった原発過酷事故、3基の原子炉がメルトダウンして、1年と2か月半、この国はどこに向かって歩いて行くのでしょうか?その方向は、きちんと説明され、納得が得られているのでしょうか?

とんでもない電車に乗せられないように、私たち「いのち・原発を考える新潟女性の会」はこれからも学習交流会を開き、多くの方々と考え行動していきたいと願っています。


*こんだ山手線の電車の中で言いあいました「来てよかったね」「そうだねー、来てよかった。おたがい、ご苦労さんだった」

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
よい日々でありますよう!

要請行動報告 経産省編

6月に入りました。田んぼの稲の背丈も伸びて、木々の緑が風に揺れてシンフォニーを奏でています。

先回は、経済産業省と東京電力本社への要請文書をお読みいただきありがとうございました。
長くて読みづらかったことと思います。お許しください。

今日は概略を報告します。

まずは、経済産業省です。

*(実況録画ふうに)

切りもなく“クールビズ”姿の男性が行き来する経産省別館玄関前、人待ち顔のスタッフ6名(全員60歳代以上)、
  「人が見たら、何してるんだろうと思うだろうねー」
  「きっと誰かの“追っかけグループ”だと見られてるよ」
  「誰の?」
  「そりゃ、枝野さんでしょ」
そのうち取材の記者さんが現れ、要請書取次をお願いした議員の秘書さんも来て、一同“クールビズ”さん達にまじって館内へ。

首からぶら下げるカードを渡されて、気が付けば外から入った人たちは全員同じカードをぶらさげている。カードはいわば“スイカ”、“タッチ・ゴー”方式のゲートを通れば、そこはいよいよ原子力政策の牙城、経済産業省! おのおの方、いざ会場へ!

最近県庁への申し入れでもそうなのですが、会場の5階面談室前の廊下には担当お役人3人が“お出迎え”。もっともお出迎えと思っているのは私だけで、お役人さん達には“事前チェック”なのかもしれない…

*いよいよ、要請!
・時間:13:00~13:45  ・会場:経済産業省別館5階面談室
・参加: 経産省から8名
資源エネルギー庁:「放射性廃棄物等対策室」「電力・ガス事業部 政策課」「 〃  原子力政策課」「長官官房 総合政策課」から各1名
原子力安全・保安院:「原子力安全技術基盤課」「原子力防災課」「原子力発電安全審査課」「 〃 耐震安全審査室」から各1名
  
* 持参した「声」を貼った模造紙11枚を横長のテーブルにずらりと広げ、昨年3月16日新潟日報に掲載されたスクリーニングを受けている赤ちゃんの写真を手に、子どもたちを二度とこのような目にあわせないために来たと、要請書の趣旨を話しました。

* 主な回答
・ 原発政策を進めてきたことを、国として反省しなければいけなく、申し訳ないと思っている。
・ 菅政権が打ち出した原発依存度を最大限下げていく方針は野田政権もぶれることなく引き継いでいる。どの時期にどのようにするかは戦略的な問題もあり、今年の夏に出すエネルギー基本計画で現在検討している。
・ 放射性廃棄物については、国として責任をもってやっていかなければならない。核燃料サイクルやエネルギー基本計画とも関連しているので、議論を見守りながら、中長期的に検討していく。
・ テロ対策については事故を教訓として冷却システム、電源車配置等、省令を改正して対策をすでに実行し、IAEAの基準に引き上げている。
・ 依存度の引き下げについては生活への影響も配慮しながら、方向性をだして国民的議論をしていくことになる。
・ 柏崎刈羽原発の耐震性については、確認している。海域の活断層の連動については、F-B断層は対象に入らないと評価している。
・ 東京電力のミスについては現在再発防止策も含めて報告を待っているところだ。

* 主な問題点
(1) 野田政権が引き継いでいるという「中長期的に脱原発依存」
 
 野田政権が誕生して9カ月、引き継いだ方針は“ほったらかし状態”、だんだん色あせてきて、消えるに任せるのではないかという懸念も出てきています。資源エネ庁は「そんなことはありません。折にふれ、方針はくりかえし国民のみな様にお伝えしています。少しもぶれておりません」と。

皆さんは、この資源エネ庁の回答を読まれて「ウン、そのとおり!」と拍手なさいますか?たぶんそういう方は少ないのではないかと思います。

つまり、資源エネ庁の回答は国民世論とずれてしまっているのです。

私が「国民の意識とずれている。ぶれていないことを説得するために1週間に1回くらい『中長期的には脱原発依存!』のキャンペーンをながしたらどうだ」といいましたら「そのくらいの頻度で言っていると思います」と。それではまるで「うっかりしている国民が悪い」ということになってしまいます。

私たちの声を生かすシステムはどうしたら作れるのでしょうか?

そんなことを考えながら「再稼働だって50%を超える反対があっても進めようっていうんだから…」といいましたら、連れ合いが言いました。「世論調査なんか気にしてたら野田政権なんかとっくにつぶれてる」そうでした、野田政権支持率30%未満ですよね。でも堂々と!生き残って、50%を超える反対世論をブルドーザーでなぎたおして「私の責任で」再稼働決定権を行使するというのです。

朝食を作りながら考えました。
野田政権はなぜブルドーザーを使えるのか?

世論調査で高率の再稼働反対がでても、私たち国民が黙ったままでいるかぎり、政権は少しも怖くないのではないでしょうか?
「過半数以上が反対しているのに、無視するのか!」と全国各地で声があがり、デモ等の意思表示行動がなされたら、政権はさすがに「関係ないもーん」とは言っていられなくなるでしょう。

政権支持率が低いことも、私たちは慣れっこになっていて、支持する政党もみつからないまま、支持率30%にならない政権のなすがままになってしまっているのではないでしょうか?

私たちは、世論調査で「反対」の意思表示をしているだけになってしまっているようです。
いえいえ、そんなことはありません。反対の署名もしましたよ。そうですね、署名は大事な行動です。

でも、私たちは、自分の言葉や行動で「反対」を表明することが、極めて少ないのではないでしょうか?

原発にしがみついていたい勢力に依存しながら、一方事故の結果としてこれまでの原発推進政策の変更を迫られている野田政権は、「ぶれない」どころか微妙なバランスをとりながら政権の維持を図っています。
その野田政権に脱原発を実現させるのに、私たちの意見表明、行動が必要です。

今回私たちが“届けましょう、私たちの「声」を!”のキャンペーンをしたのは、社会のありようを決め実現していく政治の場に、日頃ほとんどない意見表明をすることが目的でした。
私たちにも、私たちなりの意見表明ができるのです。
百人が千人に、1万人にと、意見表明がひろがれば、たとえ政権といえどもその声をなかったことにはできません。

(2)柏崎刈羽原発の海域活断層の連動

柏崎刈羽原発の耐震安全性評価で何度も県小委員会に出席なさっていた御田上席安全審査官に久しぶりにお会いしました。

御田さんの説明です。

「F-B断層は中越沖地震でたまっていた力が解放されているので当分地震は起こさないと評価。また、F-B断層は南方にあるF-D断層とはつながっていないため、連動の対象にはならないと評価した」

この説明は、新潟日報で県技術委員の立石さんが指摘されているように、明らかに矛盾しています。

問題のF-B断層は、中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発がこれから起こりうる最大地震にも耐えられるのかをチェックするのに使う基準地震動(これから起こりうる最大規模の地震)を策定するときに、原発に一番大きな影響を与える活断層としてノミネートされているのです。

つまり、F-B断層は今後も大地震を起こす可能性はあるよ、と認めていたのです。

それをですよ、連動評価になったら突然「もう動かないだろうから」と対象から外すというのです。

私はつい言ってしまいました。「新聞の記事を読んだとき、また始まったと思いましたよ」と。

「また始まった」…東電・保安院による男声2重唱「原発応援歌・断層なんか、こわくない」!

歌詞を紹介します。

“あー、原発! ぼくたちの原発! そびえたつ金(かね)のなる木、原発!
 君を離したりしない
 地震も津波も、もう来ないさ
 だいじょうぶ
 活断層だって、僕たちが手を組めば
 大きいものも小さめに
 長いものも短めに
 
 あー、原発! ぼくたちの原発! そびえたつ金(かね)のなる木、原発!
 君を手放すなんて
もったいないこと 決してしないよ
だいじょうぶ
連動だって、僕たちが手を組めば
 動く、動かない、お手の物
 つながる、つながらない、お手の物“

御田上席安全審査官に言いました。

「あなたの説明は理解できない。5月29日の委員会資料を読んでみる。いずれ新潟県にきて県民にきちんと説明してくれ」

* 経産省に訴えたこと
・ 「申し訳ない」は国民に伝わっていない。
・ 野田政権は、菅さんの方針から方向転換している。
・ 国民が理解できるエネルギー計画を出すべきだ。
・ 事故の原因は究明されていない。安全性は確認できていない。
・ 私たちは命をおびやかされることなく、普通に生活していきたい。子どもたちの健康被害を心配しながら暮らすような状況を絶対作ってはならない。
・ 安全性が確認されないのに、東電は核燃料輸送をしている。県民として見過ごせない。
・ いのちを原点にして、そこから目を離さずに解決の道筋を考えるべきだ。
・ 野田政権の再稼働ありきは認めることができない。
・ ストレステストの239ものミスは保安院がチェックして見つけられないのか?数が多すぎる。
・ 広島・長崎では入市被爆があった。放射能は見えないし、においもない。いつどんな形で害が現れるかわからない。原発は止めなければならない。
・ 柏崎刈羽原発は地震後に再開されたが、いつ事故が起きるかと不安でたまらない。廃炉にすべきだ。
・ 再稼働すればまたその分の放射性廃棄物が増える。それをどうするのか?

*最後に「模造紙上の『声』をよく読んでください」と再度言うと「しっかり読ませていただきます」と言っていました。


*経産省をあとにして、参議院議員会館で取次をお願いした議員さんと会い、それから首相官邸の前の緩い坂道を東電本社まで歩きました。25年位前に組合の県本部の役員をしていた時、議員会館に行くのになぜか間違えて首相官邸にのこのこ入ろうとして警備官をあわてさせたことを思い出しました。その頃とはもうすっかり変わっていました。途中「経産省前“テントひろば”」によって集まっている人々に挨拶、「疲れたね。おなかもすいたね」とカフェで休んでいるうちに風が強まり雨も降ってきましたが、約束の15分前には会場の東新ビルにつきました。


…ずいぶん長くなってしまいました。今日はこの辺で止めて、要請報告東電編は次回にします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
では、よい日々でありますよう!

要請書です

今日、経済産業省と東京電力本社に要請に行ってきました。

要請文書を掲載します。


2012年6月1日
内閣総理大臣 野田 佳彦 様
経済産業大臣 枝野 幸男 様
経済産業省原子力安全・保安院長 深野 弘行 様        
                             
いのち・原発を考える新潟女性の会
山内悦子 大野和 佐藤早苗 桑原三恵
本間伸子 樋口由美子
連絡先 桑原三恵
新潟市西蒲区巻甲756-15
TEL 0256-72-5091
 
貴職におかれましては、山積する国政の諸問題にご尽力いただき感謝申し上げます。
現在、新潟県には東京電力福島第一原子力発電所事故により6,500人を超える方々が避難しておられます。それまでの生活を奪われた方々の苦難は筆舌に尽くしがたいものがあります。二度と原発事故を起こしてはなりません。「いのち・原発を考える新潟女性の会」は2009年からこれまで原発及び東京電力福島第一原子力発電所事故に係る諸問題について11回の学習交流会を重ねてまいりました。会の活動を通して得た見解をもとにまとめた5項目について関係各位のご回答をいただきたく、新潟県民有志の「声」を添えて要請します。国民、とりわけ原発事故被害者の皆さま方に真摯に向き合い、誠実にご回答いただきますようお願い申し上げます。



1 野田内閣総理大臣並びに枝野経済産業大臣は、これまでのエネルギー政策の誤りと事故を防ぎきれなかったことについて、徹底的に検証し、国民に謝罪してください。

①電力会社・財界、一部の専門家集団、政界の原発をめぐる利権構造にのり、放射性廃棄物処分の見通しもないまま、原発依存のエネルギー政策を進めてきた。
② 巨額の国税を原発推進及び核燃料サイクルに振り向け、再生可能エネルギーの研究・普及をないがしろにしてきた。
③ IAEAに指摘され立地自治体からも要望がだされていた規制と推進の分離について放置してきた。
④ 電源三法交付金が立地自治体の財政をゆがめ他の産業の振興発展を阻害するのを看過し、立地自治体の原発依存を強化してきた。原発推進の砦にさせられた立地自治体をあやつりながら、推進行政を進めた。
⑤ 原発について発せられた警鐘を無視し、原発に批判的な学者、専門家を排除してきた。
⑥ 原発の危険性や経済性について情報を隠ぺい・改ざん・操作してきた。
⑦ 電力会社の地域独占体制を容認し続け、派生した諸問題を放置してきた。
⑧ 安全性を軽視し過酷事故対策を怠り、福島県を中心に広大な地域の人々を被ばくさせ環境を放射能汚染し、取り返しのつかない損害を与えた。

2 事故を防ぎきれなかった責任のもと、国内の原子力発電所を全て閉鎖し、再生可能エネルギーを中心にしたエネルギー政策にきりかえ、英知を結集して原発の後始末政策を確立・開始してください。

① 命を脅かし、広大な大地・海を長年にわたって放射能で汚染し農業・漁業をだいなしにし、地域社会を破壊する原発事故のリスクは、社会が抱えてはならないリスクである。このようなリスクを未来世代に負わせてはならない。
② 「事故を絶対に繰り返してはならない」は国民共有の思いであり、事故は100%防ぎきれないことは明らかである。
③ 未来世代に対して、放射性廃棄物をこれ以上増やしてはならない。
④ 現在日本は地震・津波を始めこれまでにない規模の自然災害に見舞われている。起こるはずがないという楽観が原発稼働には許されないことからすれば、原発へのテロリストによる攻撃も、極めて重大なリスクとして身近に存在していると言わざるを得ない。政府はこれらのリスクから国民の命、環境を守ることを最優先にして、現在停止中の全原発を再稼働させることなく閉鎖する英断をくだすべきである。
⑤ 原発廃止の遅れは、放射性廃棄物、事故のリスクを増大させ、エネルギー政策転換の速度を低下させ、社会の負担・矛盾を一層増大させることにつながる。
⑥ 政策転換により生じる諸問題(立地自治体・原発関連労働者等がこうむる負担、Co2削減、電力需給等)については第三者委員会で整理し、政府は解決の方向とスケジュールを一刻も早く国民に示し、エネルギー政策転換を機とした新たな社会の構築を開始するべきである。

3 経済産業省は、原発輸出促進政策を止めて、原発メーカー企業が事故の責任を免除されている現状を正し、メーカー企業に事故ならびに賠償責任を課すことについて検討を開始してください。

① 世界最大の原発事故を起こした日本が原発輸出を進めることについて、多くの国民が強い違和感を持ち、受け入れがたいとしている。
② 事故の検証が未了のまま政府が輸出を促進することは、放射能検査未了のため安全性が確認されていない食品の輸出を許可することと同等であり、国の方針として許されることではない。
③ 原発事故で失われた世界各国からの信頼を取り戻す政策と、原発輸出促進政策は明らかに矛盾している。国内的にも国際的にも、政府はこの矛盾を正さねばならない。
④ 政府が国益をかざして原発メーカー企業の利益を擁護していることで、国民は政権と企業との癒着や利権構造について疑念を抱いている。
⑤ 輸出先国での事故の可能性を顧みない政府は、いまだに「安全神話」を脱却していない。
⑥ 原発メーカーが事故責任を問われることなく賠償を免責されていることは、国民の生命財産の軽視につながる。原発メーカーに事故と賠償の責任を果たすよう、原子力損害賠償制度を改める必要がある。

4 経済産業省原子力安全・保安院は、規制行政庁としての役割を果たさず事故を招き、事故発生後
  も適切な対応を欠いたことについて国民に謝罪し、ストレステスト評価を始めいっさいの審査を
  中止してください。

① 経済産業省内で推進部門と規制部門で人事が交流する実態を放置し、IAEAや立地自治体からの規制・推進分離の指摘・要望に応えようとはしなかった。
② 「天下り」を代表とする事業者との癒着の実態を自浄できなかった。
③ 「安全神話」にとらわれ、シビア・アクシデント対策を怠ってきた。
④ 電力会社の地震・津波等の評価について、適切な措置をとらなかった。
⑤ 資源エネルギー庁とともに電力会社と結託し、説明会での「やらせ」に代表される原発推進キャンペーンをはり、批判を封じ込め、国民をあざむいた。
⑥ 柏崎刈羽原子力発電所が2007年7月の中越沖地震で被災し、火災、放射能漏れを始め数多くのトラブルを起こしたにもかかわらず、複合災害に対する措置を怠り、防災指針見直しを放置し、新潟県が計画した地震と原発事故を想定した防災訓練の内容を変更させさえした。
⑦ SPEEDIの情報を隠ぺいし、多くの人々を被ばくさせた。
⑧ 事故に対して専門的な知見に乏しく、適切な対応ができなかった。
⑨ 事故発生後、一貫して事故を過小評価し、情報の隠ぺいを繰り返した。
⑩ 保安院に対する国民の信頼は失われている。その状況での保安院の審査は、国民にとってなんの意味も持ちえず、不信を一層助長することにもつながっている。
⑪ 審査業務を中止し、安全性が根幹から崩れてしまった国内原発50基の停止状態での安全性を確認する業務に移行すべきである。

5 誤ったエネルギー政策と東京電力福島第一原子力発電所事故のつけを、原発を再稼働させることで埋め合わせようとする政策は極めて安易であり、問題の核心をずらす姑息な解決策です。先ごろ政府が認定した東京電力の「総合特別事業計画」に明記されている来年度以降の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関して、認定を撤回してください。

① 柏崎刈羽原子力発電所は2007年7月の中越沖地震で想定を数倍超える揺れに襲われた。地震後の点検は不十分のうえ、耐震チェックの結果で裕度が少ない機器設備もある。地盤は弱く、地震動が増幅する特性もあり、極めて高いリスクを抱えた原発である。活断層連動の可能性も指摘されており、このようなハイリスク原発を再稼働させねばならない意義はとうてい認められない。
② 東京電力が提出した柏崎刈羽原発のストレステスト1次評価報告書には239箇所に及ぶミスがあり、704台もの点検漏れも発覚している。点検漏れ等はこれまでも繰り返されてきた。東電には原発を運転する資格はない。
③ 「総合特別事業計画」の「コスト削減施策」には「工事・点検の中止・実施時期の見直し」として678億円削減するとある。このようなコスト削減計画を抱えながら原発を安全に運転できるのか?破綻寸前で国の支援を受けねばならない財務状況にある東京電力には、「安全・安心」を担保した原発運転能力は認め難い。
④ 枝野経済産業大臣は来年度以降の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が明記されている「総合特別事業計画」を認定したことについて「経営計画を立てるための仮置き」「再稼働は新たな規制機関による厳しい安全性チェックが前提。経営の観点で行った認定と別問題」(以上2点は新潟日報5月10日掲載記事より引用)と述べたと報道されているが、その言は自ら行った認定を矮小化したゴマカシに過ぎない。安全性を確認することもなく再稼働を認めた政府は、企業の経営を最優先させており、新潟県民の命を軽視している。事故の責任も問われず十分な賠償にも応じていない東京電力の存続を柏崎刈羽原発再稼働で図ろうとする政府は、被害者のみならず新潟県民を愚弄している。


                                     以上
 


2012年6月1日
東京電力株式会社会長 勝俣 恒久 様
  〃     社長 西沢 俊夫 様
                             
いのち・原発を考える新潟女性の会
山内悦子 大野和 佐藤早苗 桑原三恵
本間伸子 樋口由美子
連絡先 桑原三恵
新潟市西蒲区巻甲756-15
TEL 0256-72-5091

 貴社におかれましては福島第一原子力発電所事故の責任主体として山積する諸問題にご尽力いただいているところではありますが、解決に向けて未だ道筋も見えないような状況であることを遺憾に思っております。
現在、新潟県には福島第一原発事故により6,500人を超える方々が避難しておられます。それまで
の生活を奪われた方々の苦難は筆舌に尽くしがたく、貴社の賠償はあまりにもわずかで、苦しみを埋め合わせる金額となっていません。新潟県内では十日町市、津南町等を中心にホットスポットが生じ、事故に起因する放射性物質により汚染された汚泥が現在も増加し続け、子どもたちの食品による内部被ばくを日々懸念する生活が続いています。「いのち・原発を考える新潟女性の会」は2009年からこれまで柏崎刈羽原発及び福島第一原子力発電所事故に係る諸問題について11回の学習交流会を重ねてまいりました。会の活動を通して得た見解をもとにまとめた4項目についてご回答をいただきたく、新潟県民有志の「声」を添えて要請します。新潟県民ならびに原発事故被害者の皆さま方に真摯に向き合い、誠実にご回答いただきますようお願い申し上げます。



1 柏崎刈羽原子力発電所全7基を再稼働させることなく、廃炉・閉鎖してください。

⑨ 柏崎刈羽原発は2007年7月の中越沖地震で想定を数倍超える揺れに襲われ4000に近い故障が発生しました。世界的にも例をみない震災原発です。
⑩ 地震後の機器設備の点検は極めて不十分です。
・ 埋設・狭隘箇所、放射線量が高い箇所は十分な点検ができていない。
・ 同一・類似設備は代表・ぬきとり点検で終わっている。
・ 疲労破壊につながる金属内部の小さな傷は点検方法がないまま放置されている。
・ 解析は基準値等を設計時のものと変える、データが示されないため解析の妥当性を確認できない等により、信頼性を欠いている。
⑪ 原発建設には不適切な地盤です。
・ 原発直下の地盤は褶曲構造でありまた深部が複雑な構造であるため、揺れが増幅、増大した。地震に極めて弱い地盤であることが明らかにされている。
・ 原子炉直下には数多くの断層がある。
・ 岩盤は軟弱で、7号機原子炉建屋直下全域の基礎地盤は人工岩盤(MMR)が使用されている。
・ 建設以来、全号機建屋の変動が続いている。
⑫ 柏崎刈羽原発に係る地震・津波の貴社の想定は信頼に足りません。
・ 基準地震動策定の根拠とされた海域の活断層F-B断層(地震規模M7.0 )に対して佐渡海盆東縁断層(地震規模M7.5程度)の存在を専門家が指摘している。
・ 原発周辺にある海域活断層の連動の評価でF-B断層が除外されたことについては、複数の専門家から異論が出ていたにもかかわらず、5月29日の保安院専門家会議で議論もないまま了承された。F-B断層をもとに基準地震動を策定しながら、連動評価では「中越沖地震で断層に蓄積されていた力は解放された」として対象から外したことは、明らかな矛盾である。
・ 4月26日に発表された県内11地点で行った津波堆積物調査結果についても、専門家から調査地点選びの妥当性について再度精査すべきだ等の指摘がある。
⑬ 脆弱な機器設備があります。
・1,5,6,7号機には以下について詳細が確認されないまま「安全だ」として再開されている。
      1号機:制御棒挿入の安全裕度、コンクリート強度
      5号機:耐震壁強度、ハンガー指示値のずれ、スタビライザ耐震工事後の安全性
      6号機:ロッキング震動
      7号機:再循環ポンプモータケーシングの耐震安全性
・ ストレステスト1次評価では、1号機原子炉格納容器スタビライザと7号機原子炉基礎アンカボルトの耐震強度が他原発と比べても厳しい結果となっている。
・ 1~5号機の格納容器の型式は福島第一原発の改良型であり、圧力・温度の上昇、SCのスロッシング等による破損の危険性が指摘されている。
⑭ 貴社の原発に関する運転管理能力は大きな問題があり、震災原発7基の運転を認めることはできません。
・ 事故を起こした主体が、収束は途上で原因究明も不十分なまま原発を稼働させることは、技術的にも倫理的にも許されることではない。
・ 一貫して事故を過小評価し、情報開示が十分になされていない。
・ 福島第一原発1~3号機からは依然として放射性物質放出が続き、汚染水の漏えいが頻発する等、原子力発電事業者として必須の放射性物質の管理が十全にできていない。
・ ストレステスト1次評価報告書に、239箇所にも及ぶミスがあった。
・ 機器の点検漏れが頻発している。
・ 4月16日に提出した5号機の保安規定違反の報告書は、内容が不十分で原因分析ができていないとして保安院にやり直しを指示されている。
・ 財政危機にあえぎ大幅なコスト削減を要請されている状況では、原発稼働に欠かせない十分な点検・メンテナンス・人員配置等に懸念がある。
・ 次期社長に内定している広瀬直己常務の下記の発言は、事故の責任、安全性に対する見識、国民世論・被害者への配慮等を欠いている。このような認識の持ち主をトップとする事業者に、安全を最優先した原発の運転を期待することはできない。
「(原発は)全然だめだという議論にするのはエネルギー政策上もったいないと思っている」(朝日新聞5月9日)
「原子力は国のエネルギー政策の大きな土台」「原発新設は国の政策の根幹だ」「電気料金をある程度のレベルに抑える必要がある。そのために当面は柏崎刈羽原発を基幹電源として活用する」「(再稼働の理解を得る地元の範囲は)東電と原発の安全協定を結んでいる県、柏崎市、刈羽村」(以上、新潟日報5月9日)

2 原発事故被害者の方々の要求に沿った賠償を迅速に行ってください。
① 政府の賠償指針は賠償額の上限を示すものではない。
② コスト削減を謳いながら2012年度の給与平均額は550万円を超えている。住居も仕事も奪われ、将来の見通しもつかない被害者の生活実態からすると、容認しがたい額である。

3 福島第一原発1~4号機建屋、循環冷却システム等から放射性物質が環境に流れでることがない
ように万全の処置をとってください。
① 地震、津波、竜巻等でさらに事故が拡大することがないように、使用済み燃料プールや格納容器、応急的な手当てで終わっている箇所等十分な手立てが必要である。
② 汚染水を海に流すことは許されない。

4 電力全面自由化と再生エネルギー導入促進に寄与してください。
① 地域独占体制と総括原価方式により、消費者は高い電気料金をおしつけられてきた。
② 料金値上げ問題と柏崎刈羽原発をリンクさせることは、新潟県民を愚弄するものである。
③ 国民世論が望んでいる電力改革を阻むことがあってはならない。

                                   以上

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