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第16、17回学習交流会の報告

先回更新(6月9日)から2か月余、夏まっさかり、ここ新潟市西蒲区も今日は35℃近い猛暑です。熱中症は他人事ではありません。

さて、「いのち・原発を考える新潟女性の会」は7月14日、8月4日に学習交流会をもちました。報告します。

*7月14日:第16回学習交流会(会場:クロスパルにいがた)
<内容>
① 映画「飯舘村 第1章故郷を追われる村人たち」
今中哲二さんが共同世話人になっておられる「飯舘村放射能エコロジー研究会」のHPにのっていた映画です。

福島のドキュメンタリー映画では「フタバから遠く離れて」がメジャーで、県内各地で上映会が開催されています。

映画のパワーは絶大で、良い映画であればあるほどその輝きがその他の見過ごしてはならない現実を見えなくしてしまう、ということがあるように思います。だからこそ、福島の現実を発信する様々な映像にふれる機会を設けていかねばならないと思います。

飯舘村は2011年3月15日18:00過ぎに44.7μSvという高線量が測定されていながら、避難指示が出たのは4月22日でした。映画の紹介を読んで、政府の無策ゆえに過酷な状況に置かれた飯舘村の人々の現状を知るには最適と思い、上映することにしました。監督は、長年パレスチナを伝え続けてきた土井敏邦さんです。

私の感想は…
事故発生から2年を過ぎて、私はいまだ福島の苦悩が十分にわかっていない。
わかった気がしているのは、苦悩の氷山のほんの一角を見たからにすぎない。
苦悩の氷山は、事故が壊し、取り返すことができないあらゆるものの哀惜に満ち、大切なものとのつながりを断ち切られた人々は、氷山の暗闇に閉じ込められている。
これからどうやって生きていくのか、それまで見えていた未来に続く道は黒く塗られてしまっている。
福島原発事故が壊したのは、原発の電気を使ってきた首都圏の人々の暮らしではなかった。
放射能汚染の強い地域はあるが、首都圏は大雑把にいえば“無傷”だった。
事故直後の“自粛”はとうに止めて、首都圏は3・11以前と変わらぬ“賑わい”にあふれ目の前に次々に現れる“新しいもの”に人々が殺到している。
事故の犠牲を背負わされた福島の人々と首都圏の落差。そこに広がる忘却と無関心が、氷山を一層大きくしているのではないか。
氷山を見つめ続けるか、氷山をないことにしてしまうのか、私たちは気づかないまま選択させられている。
私たちは、明確な意思を手に見つめ続け、氷山の中の人々に手を差し伸べていかねばならない。

② “X-Day”を救えるか?原子力防災計画
(1) 以下について、桑原がプレゼンテーションしました。
1 原子力防災を考える私たちの視点
   1 原発事故の過酷と悲惨を繰り返してはならない。そのために
     福島原発事故で被災された方々と共に原発のない社会を求める  
   2 柏崎刈羽原発に核燃料・使用済み核燃料があるかぎり
     私たちは事故の危険にさらされている
   3 原子力防災を国、県、市町村行政まかせにせず、知り、考え、
     話し合い、要望や意見を発信していく
2 原子力防災体制の骨組み
3 防災指針 1980~2011
4 防災指針はどう変わったのか
5 新防災指針のポイント
6 新潟県の防災計画

(2) 新潟市の防災計画について、新潟市議会議員・青木まなぶさんのお話

(3)福島の声
    郡山市から新潟市西区に避難しておられる磯貝潤子さんのお話

*8月4日第17回学習交流会・“福島とともにシリーズNo1”(会場:クロスパルにいがた)
“福島とともにシリーズ”という新たな学習交流会をスタートしました。
3.11以降、原発を考える原点は福島です。福島事故の現実を軸足にすえ、福島の人々とともに“原発の時代”を超え、新たな未来を切り開いていきたいと思います。
テーマをもとに、意見や疑問等、話し合うことがメーンの学習交流会です。話し合いの中から進む道を見つけていく、そんな学習交流会をめざしています。

第16回に続けて、テーマは原子力防災。
新防災指針について、ここが“へん”、ここが“もんだい”を洗いだした後、泉田知事が規制委員会に提出した“要請”の内容をみました。参加者一同、概ね知事の要請内容には賛同、そのうえでさらに知事に考えてもらいたいこと、実行してもらいたいことをまとめ、参加者一同で知事に要請することになりました。

8月12日に知事に提出した要請書と学習交流会で指摘された問題点です。

2013年8月12日
新潟県知事 泉田裕彦 様
「いのち・原発を考える新潟女性の会」第17回学習交流会参加者一同
いのち・原発を考える新潟女性の会
山内悦子 大野和 佐藤早苗
本間伸子 桑原三恵 樋口由美子
  <連絡先> 桑原三恵
   953-0041 新潟市西蒲区巻甲756-15
   TEL 0256-72-5091

 県政への日頃のご尽力に感謝申し上げます。
「いのち・原発を考える新潟女性の会」では第16回学習交流会(7月14日、67人参加)、第17回学習交流会(8月4日、31人参加)で、原子力災害対策の経緯、仕組み、新旧指針の相違点等を学習し、「原子力災害対策指針(原子力規制委員会、6月5日)」及び「安定ヨウ素剤の配布・服用にあたって(地方公共団体用)(原子力規制庁原子力防災課、7月19日)」について話し合いました。そこで指摘された問題点について2~4頁にまとめましたので、ご覧ください。
 第17回学習交流会では、知事が原子力規制委員会に届けた10月29日要請、2月28日パブリックコメント、4月22日要請を通して、知事の原子力防災に対するご見解と原子力規制員会の対応について理解を深めました。要請の内容については参加者全員が賛同・共感しました。
そのうえで、参加者が共有した疑問、要望を精査し、知事への要請として下記の4項目をまとめました。ぜひご回答をよろしくお願いいたします。
 また、ご多忙とは存じますが、要請について知事に直接説明する機会を設けていただきたく、あわせてお願い申し上げます。

                      要請

  1 東電の情報発信を監視する体制を構築してもらいたい。
     東電が情報を的確に出さなければ、防災計画はどんなに完璧なものでも機能しない。県・市・村の職員が中央制御室に常駐する、あるいは中央制御室の様子をモニター画面で常時県庁、市役所、村役場に発信する等、中央制御室等を監視する体制を作ってもらいたい。

  2 県内のモニタリングポストを増設してもらいたい。

  3 東電福島第一原発事故の責任がいまだ明確にされていない。防災に関する責任の所在を示してもらいたい。

  4 県の原子力防災協議機関に複数の女性委員をいれてもらいたい。

 *第16、17回学習交流会で指摘された問題点
① 「対策指針」は”被ばく前提指針“である。

  避難とは、難を避けることであり、原子力災害における“難”とは“被ばく”であることからすれば、「対策指針」でいう避難は「対策指針」35頁で「避難及び一時移転は…被ばくの低減を図るものであり、…」と述べているように、従来と異なる概念を有している。そのことを、原子力規制委員会は国民に明快に説明し、国民の合意を問うべきである。事故の際に子どもたちを放射能にさらさざるを得ない対策指針は受け入れがたく、“被ばくゼロ”の対策指針が可能にならないかぎり、原子力発電所を容認することなど考えられない。

② UPZが30㎞園内は、福島事故の実態からすれば、狭すぎる。

  福島事故では、2011年3月15日には福島第一原子力発電所から39㎞ほどの距離にある飯舘村で44.7μSv/hが測定されたが、飯舘村は4月22日まで避難指示が出されることはなかった。「柏崎刈羽原発・放射性物質拡散シュミレーション(2012年12月総点検版 原子力規制委員会)」の「サイト出力に対応した放射性物質量を仮定した計算」では30㎞を超える地域が少なからずある。シュミレーションの不確実性は否定できないが、UPZを確定する際に参考にすべき資料であり、シュミレーション結果を下回るUPZは理解しがたい。

③ OIL1・初期設定値の500μSv/hは高すぎる。

  一般人の法定年間線量限度(1mSv-0.1μSv/h)、放射線管理区域年間線量(5.2mSv-0.6μSv/h)と比較して、あまりにも高線量である。
 
④ OIL4の防護措置であるスクリーニングは、実施施設、要員、機器、除染準備・対応等について、避難人数、避難場所数等に応じた基準が示されておらず、対策指針として具体性を欠き、指針の体をなしていない。

福島事故では、福島県は、放射線医学専門家の「断水のため除染に必要な水が確保できない」等の提言を受けてスクリーニング基準値を引き上げた(「政府事故調最終報告書」本文編256頁)。除染に必要な物品、及びその量を明示しなければ、福島のケースが繰り返される恐れがある。

⑤ OIL2・初期設定値20μSv/hは高すぎる。

一般人の法定年間線量限度(1mSv-0.1μSv/h)、放射線管理区域年間線量(5.2mSv-0.6μSv/h)と比較してあまりにも高線量であり、そのような所で最大1週間とどまるとの防護措置は、乳幼児や妊婦への考慮を欠いている。

⑥ 緊急時モニタリング体制は権限が国に集中しすぎている。避難が迅速に実施できるように、モニタリングのデータ収集、公表、結果の評価について地方公共団体が担うシステムが必要である。

  事故の進展によっては、モニタリングに関する権限が国だけでは対応が間に合わない場合もありうる。モニタリング体制は避難指示と係る。地方公共団体がそれぞれの地域におけるモニタリングデータを収集し、避難の判断に使えるようにしなければ、福島事故での避難指示の混乱・不備が繰り返されるのではないか。

⑦ モニタリングに係る機器整備や要員等について具体化されていない。モニタリングポスト設置の基準を設け、具体的な設置場所はその地域の特徴をつかんだうえで最適な場所に設置するよう、指針に盛り込むべきである。

  福島県内のモニタリングポスト設置場所・計測等について、かならずしも県民の信頼が得られていない状況がある。モニタリングポスト設置場所については、地域を熟知している地元住民も参加して決定し、モニタリング体制への信頼を構築すべきである。

⑧ 3歳以上は丸剤タイプの安定ヨウ素剤を服用するとあるが、3~7歳児全員が丸剤タイプを服用できるとはかぎらない。小学生未満は3歳未満児と同様に、粉末剤から調整した液状の安定ヨウ素剤を服用させたほうがよいのではないか。

  液状安定ヨウ素剤服用が3歳未満児となった根拠が明快ではない。薬剤師等の対応が可能なように、液状安定ヨウ素剤服用対象児の年齢が引き下げられたのではないか。

⑨ UPZにおける屋内退避、避難の際に、安定ヨウ素剤を適切に配布できる体制がとれるのか?

  事故時の混乱のなかで確実に配布できる体制を確保するのはほとんど不可能と思われる。UPZでも事前配布をすべきである。

⑩ 避難についての問題
(1) 避難指示は迅速に住民に伝えられるか?
 「対策指針」では、3.11以前と同様に国から指示が“おりてくる”。これでは、迅速な指示は期待できない。

(2) 避難手段、避難・一時移転先、避難経路は確保できるのか?
 地震、吹雪、豪雪、大雨、夜間…避難経路確保が困難になる状況をすべて想定し、対応を図るべきである。これまでにあった道路交通止めのケースを洗い出し、う回路等の対応で対処できるのか、検討すべきである。

(3) 南海トラフ巨大地震対策で提起されている「避難者トリアージ」が、原子力災害にも適応される可能性があるのではないか?

(4) 屋内退避では、木造家屋の遮蔽率はおよそ4割、流れ込んだ放射性物質がミニホットスポットをつくる可能性も指摘されている。自宅での屋内退避は被ばくの可能性が高い。

(5) 個々人の判断による避難が保障されるのか?
長岡市の原子力防災計画には、屋内退避について「UPZの定義から当然の概念と考えられるが、現実には、住民に対し強力に徹底しないと受け入れられにくい概念である。…この原則(一定期間屋内退避)を徹底しておくことが絶対条件である」とある。高線量が実測されるまで屋内退避を強いることは、人権侵害ではなかろうか。
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