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原子力防災・県の回答 住民の声は届いたか?

8月に知事に提出した原子力防災に関する要請について、県当局から回答がありました。報告します。

日時  10月23日(水)11:00~12:10
会場  県庁6階 602会議室
参加  大野、佐藤、本間、樋口、桑原
県当局 原子力安全対策課:須貝課長、藤田広報監
    放射能対策課:渋谷課長、ほか1人

<要請項目と回答(席上での質疑応答も含めて)>
1 東電の情報発信を監視する体制を構築してもらいたい。(東電が情報を的確に出さなければ、防災計画はどんなに完璧なものでも機能しない。県・市・村の職員が中央制御室に常駐する、あるいは中央制御室の様子をモニター画面で常時県庁、市役所、村役場に発信する等、中央制御室等を監視する体制を作ってもらいたい)
(回答)
東電からの情報提供については、県・柏崎市・刈羽村が東電と締結している安全協定に定められている。東電は安全協定を守ると言明しているが、メルトダウンや汚染水問題での情報発信には問題があると認識している。今後進めていく技術委員会での「福島事故検証課題別ディスカッション」のテーマにとりあげているので、技術委員会での議論を経て、国の制度の問題や、安全協定の改善も含めて必要な対応があればとることになる。中央制御室の常駐が最善策かどうかはわからない。

2 県内のモニタリングポストを増設してもらいたい。
(回答)
県内全市町村への設置はできている。増設については、国へのパブコメで必要密度のあるべき姿について質問を投げかけたが、いまだ回答がない。予算については24年度の補正で充当され設置できたが、その後の配分は何も予定されてはいない。市町村の設置場所は市町村が指定し県が決定する。市町村によって住民からの要望の取り扱いが異なっている。

3 東電福島第一原発事故の責任がいまだ明確にされていない。防災に関する責任の所在を示してもらいたい。
(回答)
住民を被ばくから守るためオンサイトでは規制基準があり、オフサイトでは防災指針がある。各地域の防災については、規制委員会は内閣が所管だとしている。規制委員会と内閣のそれぞれの役割からこぼれ落ちている問題があり、不明瞭となっていることが問題である。原発事故では避難指示は総理大臣に責任があると原災法で定められているが、災害対策基本法(一般災害)では市町村長に責任がゆだねられている。

4 県の原子力防災協議機関に複数の女性委員をいれてもらいたい。
(回答)
県では所管委員会・会議で女性の占める率を3分の1以上にするという目標がある。女性登用は重要なことと認識している。一方、原子力防災について、福島事故をふまえた見識ある人材と言ったとき、どうしても女性は人材として薄い現実がある。

<その他、席上で要請したこと>
・フィルターベント調査チームと技術委員会の議論の途中経過を県民に公表し、説明すること
  *県当局:検討してみたい
・フィルターベントと建屋の基礎一体化は引き続き東電に要求すること
・原子力防災部会に素人の目線も必要である。その観点で構成員を考慮してもらいたい
・規制委員会は「原発事故による住民の被ばくは避けがたい、健康被害がでないよう放出放射線量を低減する」とのスタンスだが、県は住民被ばくを限りなくゼロに近づけることを目標とすること
・UPZの避難、一時移転の目安となる線量、5キロ、5~30キロと距離できる防護体制には大きな問題があり、県として防災指針の改定を目指して取り組んでもらいたい

<県当局と共有できた問題点>
①モニタリングポスト増設と設置位置
②事故発生以来2年半以上経過しているにもかかわらず、事故の責任が明確にされていない
③東電の情報発信のありかた
④複合災害時の指示系統の一体化
⑤屋内退避に係る諸問題

<継続すべき課題>
時間は十分ではなかったのですが、県当局と意見交換できたことはよかったと思います。
避難等の具体的な防災計画は各市町村が策定しますので、モニタリングポスト設置位置も含めて、市町村当局への要請が必要です。そのことをふまえて、会として引き続き下記の課題に取り組んでいきます。

①被ばくゼロの避難実現
②原子力防災部会等に女性委員を増やすこと
③モニタリングポストの設置位置の検討
④原子力防災について学習交流会を重ね、居住市町村当局に避難計画等の要請をしていけるようにすること
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第20回学習交流会報告”落とし穴が見つかった”

第20回学習交流会“福島とともにシリーズ No3”の報告です。
日時 10月6日(日)13:30~16:00
会場 クロスパルにいがた 405講座室
参加 51人
テーマ 東電・説明、ここが“へん”-「安全対策」の落とし穴
司会 佐藤早苗  レポーター 桑原三恵

13:30 開会
13:35~13:45 本日のテーマについて
13:45~14:10 (1)新規制基準ってなんだ
14:10~14:50 (2)東電はこう説明した
14:50~15:00 休憩
15:00~15:55 (3)落とし穴が見つかった
15:55~16:00 次回学習交流会について

<資料>
1 実用発電用原子炉に係る新規制基準について―概要― (原子力規制委員会)
2 地域の皆さまへの説明会―8月26日東電説明会資料―(東京電力)
3 第20回学習交流会資料 1東電の“安全対策”は“ほんもの”か?
4     〃      2“落とし穴”探し      
5 復興大臣への要請書、知事・広域支援対策課への要請書
6 知事の規制委員長への要請書(10月4日)
7 次回案内チラシ

●学習交流会でみつけた6個の落とし穴を報告します。

①佐渡海盆東縁断層(さど・かいぼん・とうえんだんそう)
柏崎刈羽原発5、6,7号機の基準地震動(1209ガル)について、東電は「発電所に与える影響が大きい活断層として、海域の「F-B断層」、陸域の「長岡平野西縁断層帯」による地震を選定し、基準地震動を策定しました」(「柏崎刈羽原子力発電所の取り組み 新潟県中越沖地震後の状況」東京電力)と説明しています。

これに対して、2008年の「県技術委員会・地震、地質・地盤小委員会」で石橋克彦委員(神戸大学名誉教授)は「F-B断層は佐渡海盆東縁断層から枝分かれした断層であり、将来の最大地震は佐渡海盆東縁断層が起こすM7.5程度の地震だ」と主張しました。

佐渡海盆東縁断層の存在については、渡辺満久氏(東洋大学教授)も石橋氏と同様の説明をしたのですが、東電と保安院は「海上音波探査では存在が認められない」として否定しました。しかし、海上音波探査の解像度は100%ではありません。

佐渡海盆東縁断層が地震を起こすと、地震のエネルギーはF-B断層が起こす地震と比べておよそ6倍大きくなります。現在の基準地震動で“だいじょうぶ”とされた機器・設備はおそらくもたないでしょう。

福島事故の教訓のもとに活断層の見直しをしたと東電はいっていますが、佐渡海盆東縁断層は見直しの対象に入れませんでした。見直しでは、米山沖断層を活断層と評価しています。短め(長さ21㎞)のこの断層は、6,7号機に影響なし、と説明しています。

②海域の活断層連動
海域の活断層連動として東電は、佐渡島南方断層から魚津断層帯までの5つの断層のべ156㎞が連動したらどうなるか機器・設備をチェックしました。ところがこの5つの断層の中にF-B断層は入っていません。佐渡島南方断層の直近にあるのですから、いくつかの断層が連動するような大地震が起きたらF-B断層が影響を受けないとは考えられないのですが…

これについて、東電は
「F-B断層は中越沖地震で力が解放され、原発の運転期間中に再度活動する可能性は低く、連動対象に加える必要はない」
保安院(2012年5月)は
「F-B断層は力が解放されただけでなく、周辺の断層と地質構造が違う。それも含めた科学的な根拠に基づいた判断である」
と、説明しています。

専門家(杉山雄一氏 産総研・活断層・地震研究センター)は
「科学的知見を超えて地震の不確かさをどこまで配慮するかは、保安院と電力会社が考えることだ」
と、コメントしています。

東電も保安院も「F-B断層は中越沖地震で力が解放された」としています。
これは「発電所に与える影響が大きい活断層として、海域の「F-B断層」、陸域の「長岡平野西縁断層帯」による地震を選定し、基準地震動を策定しました」とする東電の説明と矛盾します。

F-B断層が、東電の都合によって顔を出したり、引っ込めたりしています。
断層評価にあたって存否、長さ、位置等、電力会社の都合のよいように扱われてきた経過もあります。

佐渡海盆東縁断層とF-B断層は、大きな“落とし穴”かもしれません。

③敷地内断層(建屋直下の断層)
東電は6,7号機建屋直下を走るF系、V系、L系断層等について
「敷地内断層は地層が褶曲する際に形成された断層であり、地震を起こすような断層ではない」「敷地内断層による変位は安田層中あるいは西山層中に認められ、これより上位には延長していないことから、少なくとも安田層堆積終了以降は活動していないと考えられる」「敷地近傍の活発な褶曲活動は150万年前以降認められない」
と説明しています

これに対して、立石雅昭氏(新潟大学名誉教授、県技術委員会委員)の批判です。
1 東電は、活発な褶曲活動は150万年前に終了したとしながら、褶曲に伴う断層活動がおよそ35万年~17万年前(=安田層堆積年代)にも生じたことを認めている。褶曲の成長を伴う地殻の変動は水準点変動データの解析結果や中越沖地震による敷地周辺の地盤の変動などからも、基本的には現在も継続している。
2 敷地内の断層が安田層中で止まっていることで安田層堆積終了以降の活動がない、というのは科学的根拠が薄い。地層のどの層準に達しているかではなく、上位の地層にどのように変位・変形を与えているか、解析しなければならない。
3 20万年前以降に動いた可能性は否定できない以上、今後活動しないという科学的立証はできていない。 <「原子炉建屋直下並びに敷地内の23本の活断層」
柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会 Newsletter No7 2013/7/23>

敦賀原発、大飯原発、東通原発等の敷地内断層について、規制委員会は現地調査も含めかなり丹念な調査をしてきました。6,7号機についても、“落とし穴”を見落とさないよう、十分な調査、審査をしてもらいたいと思います。

④自然現象の想定
先月、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が報告書を公表しました。それによると
「今世紀末には世界の平均気温が最大4.8度上昇する。温暖化が進むと特に日本近海で海面が上昇し、猛烈な台風が発生するという最新の研究もまとまり対策が迫られている。名古屋大研究グループは、平均気温が2度上昇すると、発生数は少なくなるものの風速70mを超える台風が毎年のように発生し、中には最大風速80m以上とこれまでに経験したことのない台風も発生する」<NHKニュース 9月28日>
とのこと。

東電の設計基準風速は、40.1m/sです。これは最大観測実績に基づいているというのですが、今後予想される気候変動にも対処できる基準と言えるのでしょうか。

9月16日「もんじゅ」でERSS(緊急時支援対策システム)へのデータ送信停止トラブが発生しました。台風による大雨でもんじゅ構内のトンネル入り口付近で土砂崩れ発生、回線が断線、損傷したと推定されましたが、この土砂崩れで道路がふさがり、半日にわたって点検・補修の担当者らが構内に入れませんでした。<新潟日報、朝日新聞 9月17日>

竜巻の想定は十分でしょうか?
観測実績(新潟県最大が「藤田スケール1」、本州日本海側最大が「藤田スケール2」)から、設計基準竜巻を「藤田スケール2」としています。

ここ数年竜巻発生が増えています。私は長年、竜巻はアメリカで発生するものと思っていたのですが、気象専門家は「竜巻は条件が整えば全国どこでも発生しうる」と言っています。ということは、去年5月6日に茨城県つくば市等で発生した「藤田スケール3」並みの竜巻も、条件がそろえば新潟でも発生する可能性がある、少なくとも可能性を否定できないと考えなくてはなりません。

新潟県、本州日本海側とした東電の観測実績の対象範囲は、不十分ではないでしょうか?日本海側ではそれほど大きな竜巻は今後も発生しないという根拠があるなら、示してもらいたいと思います。

⑤航空機墜落、意図的な航空機の衝突などへの対策
「敷地内に航空機が墜落しても、原子炉施設へ影響しないことを確認した」としていますが、あくまでも「敷地内墜落」です。航空機墜落についてあらゆる可能性を想定してはいないのです。

原発上空の飛行については、航空法に基づき「原子力施設付近の上空の飛行は、できる限り避けさせること」(1969年運輸省航空局長から東京航空局長への通知)となっていますが、これもあくまでも「できる限り避ける」のであって飛行が禁止されてはいません。

であれば、柏崎刈羽原発上空をジャンボジェット機が飛行、墜落、原子炉建屋直撃、も可能性としては否定できません。福島原発1号機の水素爆発で上半分が鉄骨だけになったように、原子炉建屋の上部はボードを張り付けただけですから、ジャンボジェット機がぶつかってきたらひとたまりもありません。その時も制御棒はきちんと入り、核分裂は停止、冷却系はしっかり動くのでしょうか?格納容器、圧力容器の壁はびくともせずに、炉心を守りきるのでしょうか?

「そんなことばかり言っていたらきりがない、発想が科学的じゃないよ」と言われてしまいそうですが、きりがない想定を科学的に一定の範囲に収めるために、新規制基準では旧保安院が定めた「航空機落下確率の評価について」に基づいて防護設計の要否について確認する、とされています。

東電はこの要否確認の結果「航空機墜落確率が10-7〔回/炉・年〕以上となる範囲に墜落した航空機による火災」を評価対象とし、それ以外は想定の要なしとしたのです。

つまり、発生確率が一定以上低いものについては考慮せず=発生しないと判断、となっているのです。
立地県住民としては、ありとあらゆるケースを想定し対策を打つのが当たり前、と思うのですが、そんなことはしなくてよいと、実はIAEAが言っています。

「人及び環境を防護するIAEA基本安全目的は、放射線リスクを生じる施設の運転又は活動の実施を過度に制限することなく達成されなければならない」
 <Fundamental Safety Principles, Safety Standards Series No.SF-1 ⒸIAEA(2006) 2008年12月(独立行政法人)原子力安全基盤機構>

ありとあらゆるケースを想定し対策を打ったら費用は莫大なものとなり「施設の運転又は活動の実施を過度に制限する」ことにつながります。電力会社の経営が危うくなるまでの安全対策は必要ないと、IAEAは言うのです。そこで確率論が登場します。確率が低ければ対策の要なし、というわけです。

その確率論を凌駕するのが過去の実績です。だから、“9.11テロ”を想定対象から外すわけにいかず、新規制基準では「意図的な航空機衝突などへの対策」として、原子炉建屋から100mほど離れた場所に「特定重大事故等対処施設(特定安全施設)を整備する」ことを義務付けています。ただしこれは5年以内の設置でよい(5年猶予)となっていますので、現時点で東電は詳細について何も説明していません。

東電も規制委員会も、政府も国会も、9.11テロのごとくは今後5年間起きないとしたのです。これって、安全神話のニュータイプではありませんか。もし起きたらまた「想定外」と言い合って、誰もどこも責任については知らん顔をするつもりなのでしょうか。

⑥フィルターベント
新規制基準の“目玉商品”のフィルターベントについて、後藤政志さんは次のように批判しています。

1(放射性物質放出の影響を可能な限り低減させ、セシウム等による大規模な土壌汚染と避難の長期化を防止する)に対して
・可能な限り低減→不可能なことはしない、つまり抽象的な努力目標にすぎない。
・大規模土壌汚染と避難長期化防止→フィルター設備が想定条件に収まることを前提にしている。                  土壌汚染は防げず緩和するだけ。
2 地震等でフィルターベント系のどこかが損傷すれば放射性物質はそのまま出る。
3 地震でバルブが固着する可能性がある。
4(原子炉建屋とフィルター装置の接続部に上下左右前後に±30㎝伸縮可能な継手を設置)に対して、装置を支持している鋼管コンクリートくいが変形損傷した場合、建屋とフィルター装置基礎のずれが±30㎝になるとはかぎらない。
5(放射性微粒子=放射性セシウムを99.9%以上除去)に対して、どの圧力、温度等の条件で、この性能が保障されているのか不明である。
6(放射性物質=セシウム137をサプレッションチェンバーとフィルター装置で大幅に除去して大気中へ放出)に対して、サプレッションチェンバーの水温は何度までとしているのか。
7(炉内に少量溶け込んでいるヨウ素等の放射性物質をサプレッションチェンバーとフィルター装置で除去しつつ大気中へ放出)に対して、どのように見積もっているか、サプレッションチェンバーの水温は何度までとしているのか。
8 フィルターをつければ、ベントしてよいのか?EUのシビアアクシデント対策では、事故発生から12時間(避難行動のための猶予時間)はフィルターベントに頼らずにパッシブ設計だけで対応できることを求めている(12 hours rule)
*パッシブ設計 : PCCS (Passive containment cooling system) 機器類の復旧や補助電源、作業員の制御に頼るのではなく、物理現象のみに依存する安全システムの設計
9 福島事故では、かなりの放射性物質が、格納容器のトップヘッドという上蓋や機器ハッチなどのフ
ランジや電気配線貫通部の樹脂等の高温劣化により漏れたものとみられる。現状の格納容器では、ベン
トが機能する前に格納容器貫通部から大量の放射性物質が漏れてしまう可能性が高い。
10 フィルターの処理容量が不十分であれば、機器の損傷、故障でフィルター効果を維持できなくなる。
11 格納容器直接加熱や水素爆発、水蒸気爆発などフィルターベントが全く役に立たない事故シナリオもある。

東電は、フィルターベントの性能評価として2通りの被ばく評価を説明しています。
・炉心損傷防止のためのベントでは:事故を通じた累計内部・外部被ばく線量の合計は敷地境界で約0.042mSv(420μSv)
・炉心損傷の場合、敷地外土壌汚染を大幅に抑えるためのベント:セシウム137の総放出量は約0.0025TBq(25億Bq)
これらの数字は、サプレッションチェンバーもフィルター装置も100%機能した場合の被ばく線量、放出量の最低値です。

後藤さんが指摘しているように、事故の進展により装置にトラブルが発生したり、マニュアル通りの対応ができなくなったら、上記の数値はどんどん上昇します。

100%機能してセシウム137の総放出量が約0.0025TBqに抑えられれば、土壌汚染からの被ばくは、敷地外で概ね1mSv/年以下になるとのことですが、どのような気象条件下での数値かは明らかにされていません。ホットスポットについても触れてはいません。

フィルターベントは、シビアアクシデント対策を義務付けた新規制基準の“トップ商品”のように宣伝されていますが、放射能を吐き出すフィルターベントは「人と環境を守る」ものとは言えません。

「そんなことはない、土壌汚染も被ばくも低減できる」と言う人がいるなら、それは立地県外の、原発から遠く離れた地の住民でしょう。

「フィルターベントは立地住民にとってもいいはずだ」と言う人がいるならそれは、フィルターで除去できない希ガスによる被ばくを避けるために避難させられる原発周辺住民の恐怖に近い不安と苦しみを理解しようとしない原発推進論者ではないでしょうか。

炉心の放射能を外に出さないための「最後の砦」であった格納容器が、実はあてにならないことが事実として明らかになったら、「管理放出」という四字熟語で住民被ばく・環境汚染を正当化し、なおも原発を使おうとする、それはすでに安全対策の落とし穴に落ち込んでいることの表れではないでしょうか。そういう人々の言う「安全対策」など、事故検証を欠いた新規制基準と同様に、信頼に値するものとは言えません。

泉田知事がフィルターベントと原子炉建屋の基礎一体化を主張したのに対して、東電は予備の継手の配置と地下に第2フィルターベントを設置して設備の多重化を図るとしています。

・耐震性は向上するのでしょうか。
・予備の継手配置は有効でしょうか。継手が外れた→フィルターベント弁閉と同時に第2フィルターベント機能開始→継手取り換え工事、このような流れだとして、地震等の混乱時に、しかも希ガスが流れ出るさなか、取り換え工事は可能なのでしょうか。
・1基数十億円という第2フィルターベントの設置経費は、福島事故被災者を犠牲にして出てくるお金です。再稼働にむけた対策費用が被災者への賠償に優先することは、あってはならないことです。


以上が、学習交流会で見つけた落とし穴です。時間があればもっと見つかったかもしれません。専門家が見れば落とし穴はもっとあるかもしれません。逆に私たちが見つけた落とし穴は落とし穴なんかじゃないという意見もあるでしょう。

泉田知事は2か月半ぶりの東電・広瀬社長との会談の翌日9月26日に審査申請を承認し、東電は翌27日に審査申請をしました。汚染水問題への対応ができていない東電の申請に、規制委・田中委員長は「(審査中の)他の原発のように、とんとんやるペースではいけない。国民も許さないだろう」(毎日新聞10月10日)と言っています。

●参加された皆さんの意見概容です。

・災害は都合よく来るわけではない。最後は人力に頼るしかないのに、命に係るような高線量の状況で、誰が行って、誰が責任をとるのか、あい変わらず明らかになっていない。福島事故の教訓がいかされていない。
・アメリカでは州で特攻隊のような対応組織があるが、日本にはない。
・原発の危険性はわかっているのに、なぜ原発をやめないのか。住民をばかにしている。どうしたらよいか、市民運動をどうしていったらいいのか。
・今日の学習交流会の内容を周囲の人に伝えて、推進派を表舞台から引きずり落とそうと、運動していかねばならない。
・何とかしなければと思っても一人ではどうしたらいいかわからない。新潟市で毎金曜日に集会・デモが行われているが、参加は少ない。県内で署名の取り組みもあるが、大きく広がってはいない。
・今日の内容は有意義だが、参加が少ない。大勢の人々を巻き込む取組ができないか。
・世界規模の推進勢力日本版が知事の包囲網を作っている。しかし権力の内部も1枚岩ではない。少しずつでも広げていくしかない。一人一人が孤立しないように、このような会に出て、情報を確認しあっていくのがいい。共通の主張を拠りどころにしていきたい。
・新聞やTVの報道だけでない情報を伝えていく必要がある。
・トップベントの工事は去年2月には終了した。今年の早いころからフィルターベントの基礎工事が始まった。県はそのいずれにもふれないできて、7月になって安全協定を言い出した。安全協定は、1983年当時、近藤刈羽村長と刈羽村反対運動体とのやり取りの中で誕生した。きちんとした運動を積み上げていくことが大事だ。フィルターベントは地元無視の象徴だ。設計変更を言わずに基礎工事を始めた。その段階で東電に言うべきであった。
・責任を明確にする必要がある。フィルターベントを義務付けた規制委員会は住民を考えていない。無視している。住民が被ばくするものをなぜ義務づけたのかと訊いたら、フィルターベントは対策例でそれでなくてもよい、と答えた。そういう規制委員会を注目していきたい。少しずつ進めていくしかない。今日の会がすぐに何か力にならなくても、どこかで力に変わっていくと思う。
・東電はずっと放射能は出さない、と言ってきた。私たち刈羽村民は裏切られた。フィルターベントで希ガスは出るからコンクリートの建物に避難するようにと東電は言っているが、私の近所にそんな建物はない。私たちが続けていけることを頑張って続けていきたい。

●今後の学習交流会のテーマについて
福島事故を原点に、福島とともに、原発のない社会をめざして学習交流会を開催していきます。
次のテーマで具体的な問題を取り上げていきます。(順不同)
①放射能の問題
②柏崎刈羽原発の問題
③福島事故と東電の責任の問題
④福島事故被災者が背負わされている問題
⑤脱原発を実現するための問題

●次回学習交流会のご案内
日時 11月10日(日)10:00~11:45
会場 クロスパルにいがた 3階 305講座室
資料代 100円

テーマ ③福島事故と東電の責任の問題 と ④福島事故被災者が背負わされている問題 に係る問題として、賠償問題をとりあげます。
・賠償の仕組みはどうなっているのか
・賠償と福島の人々の苦難
・東電の賠償はどうあるべきか
等について、情報を共有し、話し合いましょう。
ご参加ください!









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