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原発輸出、事故と廃棄物は?


10か月前、新年の目標は「ブログ作成スキルアップと慢性疲労脱却」でした。
既に秋、今年もあと2カ月ちょっとなのに、新年の”決意”は宙にういたまま。

ブログは7月からサボりっぱなし。寄る年波で、疲労はとれるどころか…。
でも、今日はブログを更新します。

昨日24日、政府は「原発賠償条約」締結を閣議決定しました。

輸出した原発が事故を起こしても輸出側は免責、条約締結は原発維持を国際的に約束することにもつながり極めて問題が大きい条約なのですが、マスコミの報道は少なく、出てきた報道は「原発輸出に弾みがつく」と”アベノミクス成長戦略プロパガンダ”ふうです。

「いのち・原発を考える新潟女性の会」は今春から学習交流会毎に「会から皆さまへ」を発行し、参加いただいた方々や手配り等で読んでいただいていますが、今月発行のテーマが「原子力賠償条約」でした。コピペで申し訳ありませんが、ご覧願います。



「いのち・原発を考える新潟女性の会」から皆さまへ No8(2014年10月12日)
原発輸出:事故と廃棄物は?

先月の学習交流会(9月21日)の話し合いで「政府は原発輸出を進めているけど、日本の原発が輸出先で事故を起こしたら日本が責任をとることになるのか?発生する廃棄物は日本が引き取るのか?」との疑問が出されました。今回はこの2つの問題を取り上げます。

原発が輸出先で事故を起こし責任を求められれば、輸出元のメーカーは倒産しかねません。原発輸出は国策だからと賠償に国税がつぎこまれるかもしれません。そのような事故のリスクを避けようと、政府は手を打ち始めています。

「原子力損害賠償制度の見直しに関する副大臣等会議」…こんな会議があること、知りませんでした。
会議の構成員 
議長 世耕弘成(内閣官房副長官)
構成員 赤羽一嘉(内閣府副大臣兼経済産業副大臣) 岸 信夫(外務副大臣) 櫻田義孝(文部科学副大臣)      井上信治(環境副大臣)

5人の副大臣等は6月12日に第1回会議を開催し、次の2方針を決定しました。
 ①エネルギー基本計画(4月11日閣議決定)を踏まえ、原子力損害賠償制度(国
内制度)を見直す。
 ②2014年内に「原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC条約)」を締結する
ために関連法案の国会提出に向けた作業を行う。

原発輸出に関係するのは②の「CSC条約」です。
CSC条約:Convention on Supplementary Compensation for Nuclear Damage

日本弁護士連合会は、この「CSC条約」について8月22日に意見書を公表しています。以下、日弁連の意見書をもとに「CSC条約」についてお伝えします。

<「CSC条約」の概要>
原子力事故が起き、損害が事故発生国の責任限度額(約468億円)を超えたら、加盟各国が原子力設備容量と国連分担金割合に応じて算出された補完基金を拠出、提供する。
 ・損害全てではなく、損害項目を限定する。
 ・賠償責任は原子力事業者のみとする。
 ・損害賠償の除斥期間を事故時から10年とする。(除斥期間:じょせききかん とは、法律関係を速やかに確定させるため、一定期間の経過によって権利を消滅させる制度)
 ・国境を超える損害が発生した場合、損害賠償請求に関する裁判は事故発生国においてのみ行う。

なぜ、今「CSC条約」を急ぐのか?
「CSC条約」(1997年にIAEAで採択された)は、発効要件が整わないため、まだ発効されていない。(発効要件:締約国が5か国、原子炉熱出力の合計が4億kW、 現在の締約国:アルゼンチン、モロッコ、ルーマニア、アメリカ)
日本が加盟すると条約が発効するのでアメリカは日本に加盟を要請している、条約発効で輸出に都合のいい条件(「賠償責任は原子力事業者のみとする」)が整う、輸出先予定各国に条約加盟を促し原発輸出を促進する等が、政府が条約締結を“急ぐ”理由である。

「CSC条約」の問題点
①損害項目が限定されている!
<「死亡又は身体の損害」「回復措置費用・防止措置費用(両方とも“権限ある当局”が承認したものに限る)」に限定。風評被害や精神的損害(慰謝料)は含まれない可能性がある。>

②責任限度額(約468億円)も、各国からの拠出金も金額が低すぎる!
<将来の加盟国をあてにしても、拠出金の合計は211~296億円程度で、実際の原子力損害をカバーするものではないことは福島事故で明らかである。>

③原子力機器メーカーが、輸出においても損害賠償金支払いの責任と経営破たんのリスクを負わないことになる!
<メーカーは製造物責任を負担すべきである>

④損害賠償期間が10年と限られている!

⑤事故に関する裁判は事故発生国のみに限られる!
<事故被害者は自国で訴訟をおこすことができず、訴訟負担のため泣き寝入りさせられる可能性が増大する。>
 
小括
政府によるCSC条約の締結準備は、原発輸出を推進しようとするためのものであるが、原発輸出は、相手国及び周辺国に、回復不可能な人権侵害、環境問題をもたらすおそれのあるもので、行うべきでない。また、条約の内容に照らして、その締結は、原子力被害者の保護に欠けることになることが危惧される。


「CSC条約」締結は最近“降ってわいた話”ではありません。2008年に文科省が所管した「原子力賠償制度の在り方に関する検討会」で取り上げられ、民主党政権が本格検討を着手し、自民党政権が引き継ぎました。

事故が起きても賠償責任を負わずにすむという、メーカーにきわめて有利な「CSC条約」を今年中に締結し、近隣諸国や輸出先の国に締結を促し、事故の責任を回避しながら原発輸出を加速する、これが安倍政権の成長戦略のかなめ“原発輸出戦略”の実態です。〝身勝手、無責任″な戦略で、輸出先の国民に顔向けできない政策です。

発効要件に「原子炉熱出力の合計が4億kW」とあり「加盟各国が原子力設備容量と国連分担金割合に応じて算出された補完基金を拠出」することになっていますから、この条約締結は「原発を手放さずに続ける」ことを意味します。

また、賠償すべき損害項目が限られている(有限責任)CSC条約が締結されれば、事業者に無限責任を課している原子力損害賠償制度(国内制度)の見直しに影響を与える可能性があります。国内制度が有限責任に改悪されれば、損害賠償額は減り、そのぶん原発コストが下がり、原発維持の根拠“原発は安い”を裏付けることができ、政府にとって好都合です。もちろん、電力会社は“ニコニコ顔”です。

原子力政策の根幹に係る条約締結について、政府は私たち国民に何の説明もしていません。9月29日の「所信表明演説」で安倍首相は「徹底した省エネルギーと再生可能エネルギーの最大限の導入により、できる限り原発依存度を低減させてまいります」と言っていますが、「CSC条約」締結が原発依存度低減にどうつながるのか、明快に説明すべきです。

では、輸出された原発が生み出す廃棄物は日本が引き取ることになっているのでしょうか?

2011年7月18日付け共同通信は「包括的燃料サービス構想(CFS構想)の実現に向けた日本、米国、モンゴル3か国政府の合意文が明らかになった」と報じています。  CFS:Comprehensive Fuel Service

CFS構想とは、世界有数のウラン資源があるモンゴルで発掘、製錬したウランを輸出し、輸出されたウランが生み出す核廃棄物をモンゴルが引き受け、処理、保管、埋蔵し、ウラン燃料全体のめんどうをみる、というものです。

 “原発電気”をさんざん使い、何十万年も保管しなければならない“ゴミ(核廃棄物)”を国外に押しつける構想は1970~1990年代にもありました。オーストラリアやパラオ諸島などを候補としたこの構想は、地元の反対で立ち消えとなりました。

21世紀に入って、IAEAやアメリカが「核廃棄物の多国間管理の必要性」を提唱し、2009年5月には、アメリカのシンクタンク2人と経産省官僚がモンゴル政府要人に「使用済み核燃料貯蔵施設を作って、IAEAが管理すれば、中国もロシアもモンゴルに手出しできなくなる。北東アジアの安全保障強化に貢献できる」とさそいかけ、モンゴルを舞台に展開するCFS構想が提起されました。

ユッカマウンテン最終処分地計画が住民の反対で白紙撤回となり早急に代替地が必要なアメリカと、使用済み核燃料の処分・保管場確保を原発輸出の起爆剤としたい日本が、国連加盟国で人口密度が一番低く地盤も強固なモンゴルに白羽の矢を立てたのです。

 2011年には、アラブ首長国連合も仲間に入り、4か国で計画を進めることになり、7月には合意文書原案ができたのですが、交わすまでには至りませんでした。日本では外務省が慎重姿勢をとっていると言われています。

モンゴルを“核のゴミ捨て場”にしようとアメリカと二人三脚してきた経産省は原発輸出に躍起になっています。CFS構想については一言も発していませんが、使用済み核燃料引き取りがセールスポイントであることに変わりはありませんから、決してあきらめたわけではないでしょう。そういえば、安倍総理は昨年3月にモンゴルを訪問しました。訪問の目的は、拉致問題、中国包囲網、鉱山資源開発・・・あやしいですね。CFS構想は首相官邸や経産省でひっそりと成長しつつあるのかもしれません。

最後に、イギリスの内科医、カール・イワン・クロウェスさんから届いた私たち日本人へのメッセージと、彼がイギリスの日本大使館に出した手紙を紹介します。少し長くなりますが、ぜひお読みください。


「2013年11月、私は息子のキアン(ウエールズのロックバンド「スーパーファリーアニマルズ」のキーボーディスト)と共に、PAWB(People Against Wylfa-BウイルファBに反対する市民の会)を代表して訪日しました。福島第一原発での複数の炉心溶融の結果を目の当たりにし、痛ましく思いました。今年の1月、駐英日本大使館宛てに私たちの来日経験の概要を添えて面会依頼を出しましたが、返事は来ませんでした。3月、大使が私の前回の手紙を受け取っていないのではないかと考え、もう一通の手紙を送りました。残念ながら、今も返事はもらえていません。以下に、ホライゾン社と日立が日本の成長戦略の一部としてウエールズのウイルファで建設を計画している原子力発電所について、大使宛てに送った手紙全文を転載します。日本の皆さんが、日本の名のもとに行われているこの不道徳な提案を知って、これをくい止めるために日本政府に働きかけてくださることは、とても重要だと思います。

                          
 日本大使館 林 景一 大使閣下
 
 私は先ごろ、息子と訪日する機会を得ました。息子は音楽の仕事で何度も日本を訪問することがありましたが、私にとっては初めての機会でした。日本でお会いしたすべての方々のホスピタリティと親切心にたいへん感謝しています。

 滞在中、私は福島県を訪ね、福島第一原発での爆発がもたらした問題の核心に携わっている数名の市民運動のリーダー達や福祉サービスを行っている人たちと会いました。誰もが思うように、私も放射能がもたらす結果について愕然としました。あらゆる生活が消え去った避難区域の様子を、私は忘れることができません。空っぽの土地、家や、車、商店、工場。私はそうしたものを二度と再現したくはありません。雇用の喪失や、家族や協同体の分断、事故に関連した疾患など
は、原発事故という人道上の悲劇にさらに追い打ちをかけることになるということが、NHS(イギリス国営医療サービス)で医療に関する責任者を務めていた身として分かりました。

 そうした観点から、多くの日本人が新しい原発建設に関与することに失望し、
4名もの元総理大臣たちが、それに懸念を表明したことは、全く驚くべきことで
はありませんでした。

 私は、日本が経済戦略の鍵となる施策として、原発技術の輸出に注力していることを存じ上げています。私はまた当初、原発輸出プロジェクトで、東京電力が原発メーカーの協力者として、原発施設の海外への導入後の新たな管理プランを提供することになっていたことも存じ上げています。しかし、私たちが目撃したとおり、福島第一原発事故やそれに起因する様々な問題を東京電力が引き起こしてきたことから、この計画はもはや実行不可能なものとなっています。

 原発輸出戦略の構築に深く関与した国際協力銀行の前田匡史氏(代表取締役専務取締役)は、2011年福島第一原発事故を受けて、当初の原発輸出戦略は粉々に打ち砕かれたと述べています。元内閣官房参与でもある前田氏は「私たちは安全性の保障と技術者の訓練を含んだパッケージとしての輸出を計画していました。しかし、東京電力が構想から消えたことで、施設の輸出しかできなくなりました」と語りました

ウイルファに新設しようとしている原発について、日立は原発の運転が可能となった後、彼らの権利を売却すると聞いています。私を含め、地元ウェールズのア二ス・モーン島に住む誰もが懸念を強めています。日立は原発の運転経験はありません。このことは、比較的新しい企業で原発運転経験がない協力企業しかいないウェールズのホライゾン社に、運転パートナーに誰がなるのかについて大きな懸念をなげかけています。

私の最も大きな憂慮を、それはモラルに関することなのですが、最後に提起することをお許しください。
私は日本政府が日本の経済成長のために、自国ではもはや選択肢とは呼びえないような技術を輸出する日立や他の原発メーカーを奨励する決定を行うことは極めて問題の多いやり方だと、心の底から思います。機械トラブル、テロリズム、天災、人災、サイバーテロなど、どのような形態をとるかは分かりませんが、取り返しのつかない出来事を私たちは目の当たりにすることでしょう。それは日本が永遠に悔いつづけ、世界における日本の名声を大きく傷つけることになるでしょう。

 日本国内や海外に原発を建設しようとする現在の方針を変えるために、あなたが持つ大きな影響力を行使すること、そして再生可能で安全で持続可能なエネルギーに関する多くの重要な技術を日本が効果的に推進し、世界に貢献し、大きな名誉を得るように働きかけてください。

 最後に、通例とは異なることとは存じますが、この件について議論を深めるべく話し合いをさせていただくために、あなたの時間を少し分けていただけないでしょうか。ご連絡いただけることをお待ちしております。
敬具」
カール・イワン・クロウェス博士 (OBE 王立内科医協会 公衆衛生学部 フェロー)

<「英国への原発輸出」原子力資料情報室通信484号」2014年10月1日発行> *翻訳: 松久保 肇


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