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”専門家”だけでいいのか?第2回事故検証技術委員会報告

8月24日に第2回事故検証県技術委員会が開催され、傍聴しました。

iwjサポーターの忠さん(胎内市)が取材許可を得て委員会全容を録画、ネット配信しました。これまでネットライブ公開を要請してきたのですが、県は「費用がかかる」として認めませんでした。

忠さんの尽力でついに実現、iwjとサポーターの活動に敬意を表します。

今回は国会事故調報告書が議題でした。録画をみていただくのが一番正確なのですが、概略を報告します。県はHPに議事録を掲載しますが、しばらく時間がかかります。

解析等、難しい用語が出てきますが、県が質問・意見窓口を設置していますので、そちらに質問なさってください。

◆ 検証に関する議論へのご質問・ご意見の受付窓口について
1受付けるご質問等の内容
 福島第一原子力発電所事故の検証に関する事項
2いただいたご質問等の扱い
 技術委員会事務局で整理した上で、今後の技術委員会の議論に反映させていただきます。
3ご質問等の送付先
 ○郵送 〒950-8570(県庁専用番号)新潟市中央区新光町4番地1 県庁原子力安全対策課「技術委員会の福島第一原発事故検証に関する質問・意見受付窓口」宛
 ○ファクシミリ 025-285-2975 
 ○メール ngt130030@pref.niigata.lg.jp 
※ タイトル等を「技術委員会検証に関する質問・意見」として下さい。
4関連ホームペーURL
 http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/

概略報告とはいえ、3時間超の会議ですから、ずいぶん長くなっています。
下記の一言感想だけでも読んでいただければ、幸いです。

“一言感想”
技術系専門家が委員の多数をしめているため、議論は技術面に偏りがち、でも福島事故は技術だけが問題ではないのだから、もっと多面的な議論がほしい。専門家だけでなく住民の視点も必要。

● 第2回事故検証技術委員会
8月24日 13:30~16:55 会場:新潟県自治会館 講堂
出席:委員14人(3人欠席) 説明者 田中三彦氏 野村修也氏  東電原子力設備管理部長、同原子力設備管理部原子力大使技術センター所長、柏崎刈羽原子力発電所長
資料:http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/gijyututop.html

(1) 国会事故調元委員・野村修也さんの説明:説明項目と説明の概要
▲委員会の概要、ミッション、活動、招致した主な参考人 

▲ 調査の結論1.事故の原因・被害拡大の原因
① 認識の共有化:
事故は収束していない。今なお続いているこの事故は、今後も独立した第三者によって厳しく監視、検証されるべきである。
② 事故の根源的要因:
耐震バックチェックが遅れ、津波知見がいかされず、事故に至ったことから、この事故は明らかに「人災」である。前向きな対策を立てていれば事故は防げたかもしれない。規制当局が「虜」となっていた。政府事故調は「想定すべきことが想定できなかった」としているが、国会事故調は「想定していたのに対策を先送りした」とまとめた。政府事故調より厳しい指摘となっている。
③ 事故の直接的原因:
安全上重要な機器の地震による損傷はないとは確定的に言えない。1号機では小規模のLOCA(冷却材喪失事故)が起きた可能性は否定できない。
④ 運転上の問題:
過酷事故への十分な準備、知識・訓練、機材の点検と、運転員・作業員への指示の準備があれば、より効果的な事故対応ができた可能性がある。東電の組織的問題である。

▲ 調査の結論2.被害拡大の原因
⑤ 緊急時対応の問題:
初動の遅れと東電への不信感で、指揮命令系統の混乱が生じた。政府の介入を問題視していると報道されているが、誤解である。保安院の情報は官邸5階には届かず、現場はないがしろにされた。混乱の張本人は東電である。
⑥ 被害拡大の要因:
避難に関して情報不足があった。情報伝達に問題があった。
⑦ 住民の被害状況:
将来にわたって低線量被ばくに対して責任を果たすべき。

▲調査の結論3.問題解決の視点
⑧ 事業者:
現場軽視の東電経営陣の姿勢。
⑨ 規制当局:
抜本的な転換が必要。
⑩ 法規制:
総合的な見直しが飛鳥。

▲ 7提言について
提言1:規制当局に対する国会の監視:「虜」に陥る危険性がある。監視・点検の仕組みが必要。

提言2:政府の危機管理体制の見直し:オンサイト(発電所内)とオフサイト(発電所外)を分ける。

提言3:被災住民にたいする政府の対応:国は健康管理に責任をもたなければならない。

提言4:電気事業者の監視:リスク管理を監視するシステムの構築

提言5:新しい規制組織の要件:独立性をたかめること。人事選任のプロセスは国民が納得できるものにすること。

提言6:原子力法規制の見直し:現行の整理が必要

提言7:独立調査委員会の活用:引き続き調査するために必要

▲ 規制の虜(Regulatory Capture)
▲ 東京電力の組織上の問題点
▲ 事故対応の問題点

(2) 国会事故調元委員・田中三彦さんの説明:説明項目と説明の概要
▲ 1F-1原子炉建屋ICのタンク直近の出水について(報告書第2部p228)
東電は「燃料プールの水がスロッシングであふれ、換気ダクトから漏れたのではないか」と説明しているが、よくわかっていない。

▲ 耐震バックチェックの遅れ。
新耐震指針(2006年決定)によるバックチェックが終了していない。7設備については2008~2009年に中間報告されたが、他はまだである。1Fは1970年代前半に265ガルで設計された。新耐震指針でSsは600ガルになったが、265で設計された設備・機器が600でもつのか、耐力はあったのかチェックされないまま3.11となった。

▲ 1F-1のSB-LOCA(小破口冷却材喪失事故)の可能性(報告書第2部p224)
事故の直接原因が全て津波かどうか検証されねばならない。昨年保安院がJNESに依頼して試みたFTA(故障の木解析 報告書第2部p217)によると、漏えい(地震で配管が破損してもれる)面積が0.3㎠のSB-LOCAでは原子炉の圧力や水位の変化からSB-LOCAが起きたと判断するのは事実上不可能である。0.3㎠のSB-LOCAでも、10時間以内に燃料損傷は起きうることも解析は示している。
政府事故調は、格納容器の温度・圧力からみるとLOCAはないだろうとしている。たしかにギロチン破断はないだろうが、小規模LOCAの可能性は否定できない。

▲ 津波襲来とSBO(全交流電源喪失)の関係
東電が示している津波到達時刻はサイト東1.5キロ海上の波高計に到達した時刻であった。そこからすると、最初に4号機南側に津波が到達した時刻は15:37頃である。津波はその後、3~1号機を次々に襲っているが、1号機A系の非常用発電機は15:35~36にはトリップしていることから、故障の原因は津波ではない。東電は、到達時刻をいったんは認めたが、最終報告書では15:35サイト到達にもどっている。

▲ 1号機IC(非常用復水器)に関して(報告書第2部p229)
1号機ICは起動後11分後に手動停止している。東電は「マニュアルの温度規定に沿って止めた」と説明しているが、ヒアリングで運転員は「運転員3人で止めた。急激に原子炉圧力が下がってきたので、どこか漏れているのではないか、一度止めてみたいと思い、上司に確認しOKもとり、止めた」と言っている。

▲ SR弁(主蒸気逃し安全弁)作動時の音について
2、3号機では、SR弁が開くごとに大きな音がしたが、1号機は非常に静かだった。SR弁の音はそれまで経験がなかったことなので、福島第2、東海第2、女川原発に問い合わせたところ、女川原発では動作音は聞こえたという(東海第2は回答なし、福島第1(MARKⅠ)と構造が違う福島第2(MARKⅡ)では動作音はなかった)。なぜ1号機でSR弁の動作音がしなかったのか?ICが作動していないのに、蒸気が出たという報告もある。中央制御室のホワイトボードに「シューシュー音」と記載したのは誰かわかっていない。1号機について地震の影響はなかったとは断定できない。

(3) 質疑応答
▲ (香山)文書での質問、回答をお願いしたい。各事故調報告書の独立性はあるのか?

▲ (野村)質問の趣旨がつかめない。

▲ (鈴木座長)文言の表記、導き方、委員会でできなかった質問等については事務局をとおして文書で質問をだしてもらいたい。

▲ (梶本委員)政府事故調と国会事故調の論点の違いについては、どちらが正しいかの議論は必要ない。双方から知見を吸出し、双方を尊重して県に生かすことがだいじ。福島県は事故に関して何が不足していたのか説明してもらいたい。

▲ (野村)県庁は耐震性で問題を指摘されていたにもかかわらず、対策本部を県庁に設置した。事故直後モニタリングポストは機能を喪失した。設置場所等、準備が不十分だった。オフサイトセンターは事前の対策がなされていなかった。ヨウ素剤配布については、町単位の対応はあったが、県としては対応できなかった。

▲ (梶本)できる準備をしておかなかったのは大問題、今後の最大のポイントである。電話台数は十分だったのか?

▲ (野村)ヒアリングで知事からは明快な回答はなかった。十分ではなかったと思う。

▲ (角山)①破局にいたるまでの時間の猶予は設計時に計算できる。どの程度認識していたのか?②2、3号機はメルトダウンまで2日ほど猶予があったにもかかわらず、避けることができなかった真の原因は何か?

▲ (田中)7回くらいヒアリングしたが、シビアアクシデントの準備はしていなかった、論文は読んでいなかったようだ。運転員は何が起きているのか理解していなかった。3号機は直流電源があったので、減圧して海水注入すれば避けることができたかもしれないと思う。1号機はICが機能すればSR弁で減圧してというストーリーがあったが実際はICが機能していなかった。2号機はRCIC(原子炉隔離時冷却系)が動き、水位も余裕があったので安心していたもようだ。

▲ (角山)他の原発への対策はなにか?

▲ (田中)シビアアクシデント対策をしっかりすることだ。電源喪失すれば中央操作室で制御できない。中央操作室で弁を開けられなくなることまで考えておかねばならない。トレーニンングセンターの訓練は現場なしの机上訓練である。シビアアクシデントを現実のこととして、何が起きるか全て考えた訓練をすることが重要である。

▲ (梶本)SB-LOCAについては昨年の議論では起こっていないとなった。シビアアクシデントには、全交流電源喪失と崩壊熱除去喪失があり、前者は数時間で後者では2~3日で炉心損傷が起きる。1Fでは2つが同時に起きた。SB-LOCAの議論は事故の本質を見失わせる。注水失敗、減圧失敗、電源喪失、冷却機能喪失で炉心損傷が起きる。BWR に共通しているこれらすべてに対策をうつことが必要。自然災害を想定しなかったこと、隣接プラントも駄目になる想定がなかった等、対策不足があった。圧力容器の圧力が高くなり格納容器が厳しくなる直接加熱現象の分析がないのはなぜか?

▲ (田中)なぜSB-LOCAがないとする根拠は何か?

▲ (梶本)PSA(確率論的安全評価)」に従うと2インチ相当の破断は起きていない。

▲ (田中)ではSR弁が動かなかったのはなぜか?

▲ (梶本)圧力上昇でシール破損した。

▲ (田中)SBO (全交流電源喪失)直後にSR弁は動いたのか?

▲ (梶本)極小破断については判断できない、結論不能である。

▲ (田中)SB‐LOCAで圧力が下がらない場合もある。ノーマル運転時に作動音がないことを問題としている。

▲ (香山)FTA(故障の木解析)の結果は影響のある傷はないと結論すべきである。一部のデータで影響ありとするのはどういうことか?

▲  (田中)メルコア(解析コード名称)ではICは表現できない。

▲ (香山)事実を認めて議論すべき。都合に合わせるのは許されない。

▲ (田中)保安院を通して解析してもらったが、条件等要望を出した。

▲ (香山)議論を他に広げないでもらいたい。

▲ (田中)メルコアについては議論が終わっていないので、報告書には記載しなかった。

▲ (香山)一部のデータのみ取り上げて結論を出すのは間違っている。

▲ (鈴木座長)微小LOCAの議論は平行線、ここで一応止める。格納容器加熱についてはこれでいいか?

▲ (田中)メインフランジから漏れたら大量となり、シェルアタックが起きる。モデル化していくときにシュラウド(燃料集合体や制御棒を収容する円筒状の構造物)が溶けるのではないかと検討、メルコアでは1700℃で溶けた。そうなるとデブリは横にぬけ、圧力容器がやられているのではないかとも考えられるが、報告書には記載していない。

▲ (梶本)検討はしたが、根拠がないから記載しなかったということか。

▲ (田中)私が検討して、話はしたが、それで終わりとなっている。

▲ (鈴木元衛)高圧溶融物直接放出はメルコアで計算できるのか?

▲ (梶本)信頼性は高くない。結論的なことは言えない。

▲ (鈴木元衛)保安院に言われてやったのか?

▲ (梶本)JNESの職員が自らやった。

▲ (鈴木元衛)公表するだけの意味はないということか?

▲ (梶本)格納容器直接加熱についてはそうだ。

▲ (鈴木元衛)メルコア、マープ(解析コード)のモデルは非常に問題がある。別途議論したい。

▲ (吉川)自己解析は専門家で実施して、真相解明すべきだ。二度と事故は起きないことが保証されないと地元は収まらないし、再開できない。チェルノブイリ事故後、90年代前半シビアアクシデントの検討がなされ、事故は起きない、自主的に対策に取り組むとなった。90年代の原子力安全委員会の共通問題懇談会はどういう性格で、共通問題とは何か、構成やテーマはどうか、議事録は公開されていたのか?

▲ (野村)これまで公開されていなかった電事連の資料から「規制の虜」の結論が出た。公開については、電事連と協議した結果、報告書記載範囲となっている。原子力行政は正式の会議以外に多数あった。会議の前に検討することはよくあるようだが、特定の利権を持っている人々に根回しがあった。シナリオがきめられたのち、会議が開かれていた。乗り越えられない問題を共有しているが共通問題とされた。これまでの議論は、ある出来事を想定し、出来事は起きないとされた。溢水研究会で全交流電源喪失が起きることは分かっていた。しかし、そんな津波は来るのかが検討され、来ないと結論付け、思考停止になった。津波が来るかどうかではなく、電源喪失に注目して対策することが必要である。科学的原因分析も必要だが、社会制度としてどうするか、多数のシナリオで対策すべきである。

▲ (香山)教授等は検討し、解析もいろいろやっている。企業活動ではどこで合意し結論するかで決まる。現実的に決まる。決してなにもやっていないということではない。

▲ (野村)想定していながら対策しなかったことについて、どうコミットしてきたかを分析すべきだ。加担した科学的なサポートが科学的だったのかどうかをつめるべきだ。対策をするしないについては、費用対効果の問題もあろうが、訴訟で負けると困るという別のファクターが入り込んでいる。対策より訴訟が大事では、立地住民としては納得できない。

▲ (香山)きちんとした解析の結果で対策は不要となっている。

▲ (野村)科学と人命のギャップがあるなかで、科学はどこに線をひくかだ。人命より企業優先に科学者は加担したのではないか。

▲ (梶本)福島事故以外に炉心損傷に至る事故は全てわかっている。できることは全部やるべきだ。対策を着実に進めるために委員になった。どういう解析でどういう見解なのか、それぞれ独自にやればよい。私たちが咀嚼していればよい。

▲ (野村)勝俣氏に全電源対策は費用が掛かるのかときいたら「それは簡単にできるが、津波は来ないと科学的に論証されたので対策はしなかった」と言った。東電の思考停止について多くの科学者がサポートした。可能性を指摘されながら対策を講じなかったのはなぜかを解明すべきだ。事故シーケンスがあるなら、炉心損傷を防ぐ対策をやるべきである。

▲ (鈴木元衛)SB-LOCA、SR弁について、確かな証拠はなく、結論はだせない。どちらもありうる。可能性を入れて考えるべきというのが国会事故調の考えだと思う。1号機のSR弁が作動音はしなかったけれど開いたとするなら、きちんと説明すべきだ。D/G(ディーゼル発電機)が地震で損傷した可能性はある。日本では非常用D/Gの耐震テストはわずかしかしていない。多度津の加振台で40秒ほど揺らしただけである。どのくらいもつのか、実験が必要である。

▲ (田中)地震による損傷があったかなかったかはともかく、昨年5月の段階で地震による影響はないと切ってしまい、対策に入れないことが大問題である。S/C(圧力抑制室)がやられたのではないかと思っている。

▲ (衣笠)修正版を作る予定はあるのか?いつ作るのか?このまま固定化すると、これは何だということになる。

▲ (立石)国民的議論で国民の意思は示された。廃炉だ。委員会の役割も変わると思う。時期はともかく廃炉となる柏崎刈羽原発の放射能を安全に維持・管理する必要がある。利益があがらないなかで安あがりで済ます仕組みをどう変えるかが重要である。規制委発足に当たってこれまでの原子力行政を担ってきたJNES のような外郭団体をどうするか、もっと明確に言うべきだ。

▲ (野村)規制委は表向き、規制庁は保安院そのものであり、これまでの行政を否定するのは非常にむずかしい。行政のノーリターン・ルールがないと、原発推進の経産相にもどるために覚えのいい活動をしなければとなるのは当然である。ノーリターン・ルールは無理だという声があるが、事故後に言うべき言葉ではない。命がけでやっていくべき。でなければ、命を任すわけにはいかない。電事連については、法律に明記すべき。公権力の規制もあってしかるべき。国会で議論を。

▲ (香山)論文は事実が正しいか、論理が正しいか審査される。 報告書は事実を示さないまま、推論している。報告書208ページの出水について証拠も論理もなく断定している。

▲(田中)東電にはヒアリングをしている。東電が証拠を出していない。

▲ (野村)ヒアリングについては、守秘義務があり開示できないものもある。了解もらえなければ出せない。報告書は論文ではない。資料はあり、思いつきで書いたのではない。原子力の知見をつんできながら事故は起きた。論文形式で事故対策は十分とれたのか。報告書を出してから解散したので、報告書を書き直すことはない。事故調査報告書が複数出るのは当然のこと。書き方は論文とは違う。次の事故を防止するために、なにを得るのかを読み取ることが必要。ひとつでも教訓を得ることが必要だ。

▲ (田中)断定しているのは東電だ。

▲ (鈴木元衛)報告書を出版しないのか。

▲ (野村)もうすぐ出版される見込み。
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