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"KK・NOW" 再稼働 するの?できるの? No7

<“KK・NOW”柏崎刈羽原発の今シリーズ 
その6「再稼働するの? できるの?」第2楽章-2>

先回の説明

「KKのように複数ユニットがある場合は、全基に共通の「解放基盤表面」という地下の岩盤上に表層や構造物がないものとして設定した仮想的な岩盤表面で想定した地震の加速度「基準地震動」を策定し、基準地震動がそれぞれの建屋最地下階でどのくらいの加速度になるかを計算して出します」

の「基準地震動」について、補足します。

* 基準地震動は原発が地震に耐えうるように設計する際の基準となる地震動です。

* 基準地震動は耐震指針に基づいて策定されます。

* 原発設計のための耐震指針が制定されたのは1978年です。この指針は1995年の阪神淡路大震災を契機に見直され2006年に改定されました。1978年版は旧指針、2006年版は新指針とよばれていますが、規制委員会は新指針を全面的に見直し来年3月末までに改定案をまとめたいとしています。

* では、旧指針以前はどうなっていたのでしょうか? KK1号機は旧指針制定以前1977年に原子炉設置許可が出ています。福島第一1~4号機の原子炉設置許可年は、1号機・1966年、2号機・1968年、3号機・1970年、4号機・1972年です。福島1号機と同年に設置許可された敦賀1号機、美浜1号機について田中三彦さんが書いています。

「当時、日本には原発の中枢構造物に関する法的な技術基準が存在しなかったため、この二つの原発の中枢構造物はなんと化学プラントの技術基準に準じてつくられているのだ」(「まるで原発などないかのように 地震列島、原発の真実」(原発老朽化問題研究会編 現代書館)

1978年以前に設置許可された原発はおそらく似たような手法で耐震設計をしていたものと思われます。

「1978年に耐震指針ができたなら、それ以前の原発がその指針にちゃんとあっているかどうか、調べればいいじゃない」と思いますよね。

基準が改定されたら、それ以前に許可されたものを新基準でチェックし、新基準に適応させるバックフィットは法制化されていませんでした。今年6月20日に成立した「原子力規制委員会設置法」で初めて法制化されたのです。

新基準制定時に保安院は、全原発について、新基準で耐震安全性は確保されているか調べるバックチェックをし、報告と必要なら耐震強化工事をするよう指示しました。しかし法的な裏付けのない指示のため、各電力会社はバックチェックを先送りし、2010年12月6日時点で最終報告書提出済みはKKの1,5,6,7号機と浜岡原発だけ、東電福島第一の最終報告書提出予定は2016年というありさまでした。

新基準にあっているかどうか10年もかけなきゃわからない、というならよほど耐震安全性に問題あり、と思うのがフツウではないでしょうか?保安院は、そのような問題意識をもつこともなく、東電に最終報告を催促するのでもなく、いわば東電の言うなりになっていたようで、国会事故調は「規制する側が電力会社の“虜(とりこ)”になっていた」と評しました。

* KKでは1号機を除いて旧指針のもとで策定された基準地震動を基に設計されました。

旧指針では、基準地震動が2種類あります。

・ S1(近い将来起こりそうなもっとも影響の大きい最強地震動): 300ガル
・ S2(およそ現実的でないと考えられる限界的な地震動): 450ガル

* では、この基準地震動と比べると、中越沖地震によるKKへの地震動はどうだったのでしょうか?
これはコンピュータで計算してだします。

* 解放基盤表面における中越沖地震による地震動(< >はS2 (450ガル)の何倍かを示しています)

1号機 南北842<1.87> 東西1699<3.78> 上下591<1.31>
2号機 南北812<1.80> 東西1011<2.25> 上下545<1.21>
3号機 南北994<2.21> 東西1113<2.47> 上下618<1.37>
4号機 南北974<2.16> 東西1478<3.28> 上下749<1.66>
5号機 南北515<1.14> 東西766<1.70> 上下262<0.58>
6号機 南北580<1.29> 東西539<1.20> 上下422<0.94>
7号機 南北667<1.48> 東西613<1.36> 上下46-<1.02>

5~7号機が最大1.7であるのに対して、1~4号機の最大は3.78、1~4号機が強い地震動を受けたことがわかります。

1~4号機(柏崎市寄りで通称“荒浜側”)と5~7号機(刈羽村寄りで通称“大湊側”)の間には建設時に掘削した際の土砂を積み上げて作った展望台があります。とはいえ1~4号機と5~7号機が2キロ、3キロと離れているわけではありません。

さして離れていないお隣同士で、何故そのように地震動に差が出たのか、東電は説明しなければなりませんでした。


* では今日の本題「何故そのように地震動に差が出たのか」の東電の説明です。

「新潟県中越沖地震の揺れの特徴」(「柏崎刈羽原子力発電所の取組み 新潟県中越沖地震後の状況 東京電力柏崎刈羽原子力発電所」より)

新潟県中越沖地震の揺れが1~4号機(荒浜側)が5~7号機(大湊側)と比べて、大きな揺れを観測した要因は次の3つと考えています。
① 震源において同規模(マグニチュード6.8クラス)の地震より強い揺れを生じた地震であった。
② 地震の揺れが地盤深部の複雑な形状を通過する間に、揺れが増幅された。
③ 1~4号機側では敷地地盤の古い「しゅう曲構造」により、地震の揺れが集中し、敷地への影響が大きくなった。(今回の地震と過去の海域で発生した地震を調べると、1~4号機側の方が5~7号機側に比べておよそ2倍の大きさであった)

* この説明は、柏崎刈羽原子力発電所の地盤の「深刻な問題」を明らかにしています。

   地盤深部は複雑な形状 + 地盤がしゅう曲構造 
  = 揺れが強くなる = 地震の影響を受けやすく、地震に弱い

東電は説明を通して、地盤に関するこの「深刻な問題」を公に認め、保安院・原子力安全委員会もこの説明を了承しました。国も「深刻な問題」を認識したのです。

* しかし、この「深刻な問題」は中越沖地震で初めて分かったことではなかったのです。

地元の人々は、KKの誘致(柏崎市議会誘致決議・1969年3月、刈羽村誘致決議・1969年6月)の段階で、敷地地盤の問題を次のように指摘し、建設反対を訴えていました。

① 柏崎刈羽地域は油田地帯であり、活しゅう曲帯にある。
② 原子炉建屋、タービン建屋直下に、多数の断層がある。
③ 敷地周辺一帯は地殻構造運動が続いている
④ 岩盤が軟弱で地震には耐えられない。

「豆腐の上に原発を建てるのは止めてくれ」という訴えをしり目に、1号機は1978年12月に着工となり、地元の人々は1797年に「1号炉設置許可取り消し」の裁判を起こしました。

この裁判は、2009年4月に最高裁で棄却となりました。

* 旧指針では「原子炉建屋等、重要な建物・構造物は岩盤に支持されなければならない」ことになっていました。でも、KKの岩盤は…軟弱?

KKの原子炉施設は、海面下40メートルほどを掘削して西山層の上にある地層を取り除いて西山層の中に建てられています。西山層について、立石雅昭氏(新潟大学名誉教授、新潟県技術委員会委員)は次のように書いています。

「(西山層は)およそ350万年前から100万年前にかけて堆積した塊状の泥岩を主体とした堅い岩盤というに値しない岩石であり、土質工学的には軟岩に分類され、重力式ダムの基礎岩盤としては不適格であり…含水比が高いため、他地域の原子力発電所の地盤と比べて強度が著しく低い」(「地震と原子力発電所 3 新潟の原子力発電所」立石雅昭 新日本出版社)

まさに「豆腐の上の原発」です。しかも…

7号炉は西山層に接して建てられていません。原子炉建屋直下全域の基礎地盤は厚さ約7~17mの「セメント系人工岩盤(MMR:マン・メイド・ロック)なのです。このMMRについて、「原子炉設置変更について(答申)」につぎのように書かれています。

「マンメイドロックは、掘削工事で発生した西山層の泥岩に水を加えて細かく粉砕しスラリー状(液体の中で固体が存在する状態)にしたものに、現地の砂及び高炉セメントに石膏を多めに加えた固化層と同等またはそれ以上の特性を有しており、また、セメント系材料 であること及び使用に供せられる状況から、長期にわたる安定性についても問題ないものと判断する。支持力については、…常時の接地圧と比較して十分な耐力を有し、また、地震時の最大接地圧に対し支持力が問題となるもので
はないと判断する」

「答申」のどこを探しても、なぜMMRが基礎地盤として使用されるのかについては、記載されていません。「7号炉については、原子炉建屋直下全域の基礎地盤は厚さ約7m~約17mの「セメント系人口岩盤(MMR マンメイドロック)」でおきかえることとしている」とあるだけです。

1~6号機地盤の一部にもMMRが使用されています。<新潟県HP 原子力安全対策課 FAQでの東京電力の回答>

1~5号機: 原子炉建屋基礎の一部で、地質調査として実施された試掘坑の跡を、まわりの地盤と強度を合わせた無筋コンクリートのMMRで埋め戻してある。

6号機: 原子炉建屋基礎の一部で、地質調査として実施された試掘坑の跡を、まわりの地盤と強度を合わせた無筋コンクリートのMMRで埋め戻してある。地盤掘削後、周囲よりも低くなった3分の2には、およそ3m~7mの施行深さで、周辺の地質の強度に合わせた無筋コンクリートMMRで埋め戻してある。
                   
1~5号機では、試掘坑の埋め戻しにMMRが利用されていますが、6号機では基礎地盤の追加(3分の2)として、7号機では基礎地盤にかわるものとして、MMRが利用されています。

“原発が 豆腐の上で 揺れている”…
“お豆腐の 上で動かす 7基かな”… 

などと、呑気なことを言っている場合じゃありません。

昨日(10月7日)の朝日新聞「災害大国迫る危機 軟弱地盤に3800万人 地震、揺れ増幅の恐れ」のタイトルの記事がでていました。

「日本の人口の3割にあたる約3800万人が、地震で揺れやすい軟弱な地盤の上に住んでいることがわかった。軟弱な地盤は首都圏や大阪圏を中心に都市部で広がっており、巨大地震に見舞われると甚大な被害が生じる可能性がある。…地盤が軟らかいと揺れが増幅しやすく、地中の水が噴き出したり、家が傾いたりする液状化現象が起きることもある」

と、いうのです。新潟版紙面では増幅率が高い地域を赤く塗ったマップが掲載されていました。

県内で赤い地域、増幅率が高い地域は新潟市を中心に北は村上、南は長岡近辺まで、KKも含めた柏崎地域、柿崎から上越市にかけての海岸線です。

地震に弱い地盤に7基もの原発…ありえません。
(10月8日)
 
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