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”議論なき検証”-知事提唱「県独自の事故検証」の実態

第5回福島事故検証・県技術委員会(2月1日 会場・朱鷺メッセ中会議室301)を傍聴しました。

昨年7月~12月、4回にわたって、民間、国会、政府、東電の事故報告書について委員会が開かれ、5回目の今回は検証の柱立て(検証項目)が提案されました。

しかし、過去4回の報告書についての委員会は、報告書を作成した関係者の話を聞き若干の質疑応答があったのみ、報告書の内容について委員間の議論はほとんどありませんでした。

にもかかわらず、突然検証項目が出てきました。

座長(鈴木賢治・新潟大学教授)と事務局(県原子力安全対策課)が作成したのでしょうが、いったい、何を根拠に検証項目は作られたのでしょうか?その説明はありませんでした。

提案された検証項目です。

<福島第一原子力発電所事故の検証の整理 検証項目>
1 シビアアクシデント対策
2 地震対策
3 津波対策
4 新たに判明したリスク
5 放射線監視設備、SPEEDIシステム等の在り方
6 発電所内の事故対応(重荷現場対応)
7 過酷な環境下での現場対応
8 原子力災害時の情報伝達、情報発信
9 原子力災害時の重大事項の意思決定
10 原子力安全の取り組みや考え方


検証項目とありますが、実際には県知事に提出する提言項目です。
2つの問題があると思います。
① この提言項目がなぜとりあげられたのかの説明がない。
② 提言項目はこれでいいのかの議論は不十分である。

この2点を含めて県庁原子力安全対策課に設けられた「技術委員会の福島第一原発事故検証に関する意見・質問受付窓口」に質問書を提出しました。

2013年2月3日
県庁原子力安全対策課
「技術委員会の福島第一原発事故検証に関する意見・質問受付窓口」様

桑原三恵
                           
 第5回技術委員会で、検証に関して一致点をまとめ年度末に提言を報告する方向となりました。しかし、事故検証については4報告書の「聞き取り調査(新潟日報2月2日)」をしたにすぎず、提案された「検証項目」についても若干の賛成意見はあったものの、「ポイントについて議論すべき」「議論が足りない」「県の果たした役割の検証はどうするのか」等の指摘がありました。これらの意見について議論を深めないまま、次回委員会で素案の審議に入れば、知事が提起した「新潟県独自の検証」は“議論なき検証”といわざるを得ません。それは、県民にとって不透明な、説得力を欠いた検証であり、県行政への不信を増すことにもつながります。
上記の観点をもとに、第5回技術委員会の議論について質問、ならびに要望を提出します。将来に禍根を残さない検証を確実にするお取り組みを、よろしくお願いします。

1 立崎委員の「オフサイトに係わることについては、あまり議論もなく、メンバーからしても(議論に)向いていない。別組織で、たとえば防災局でやったほうがいい」との発言は、新たな委員を認定しソフト面での検証を進めるとした知事の検証方針が実際には機能しなかったことを表しているのではないでしょうか。東電の安全管理についても、議論はきわめて不足しています。事務局として、5回の技術委員会で議論は十分か、十分とするならその根拠を、不十分とするならその部分と今後の方針を具体的に示してください。

2 素案提案の前に、過去4回の事故報告書「聞き取り調査」の結果を下記の観点を参考に提示し、素案の根拠を明らかにしてください。

① 事故原因の分析 
 梶本委員の「技術委員会による事故原因の検証は不可能であり、あまり意味もない」旨の発言は、検証範囲を矮小化するものです。福島第一原発の現状から事故原因を究明するにはかなりの年数を必要とするでしょうが、「検証の整理」をするのであれば、事故原因の項目を用意して、技委として現段階において考えられるものをまとめるべきではないでしょうか。事故原因の分析を欠いた検証はありえないと思いますが、この点について事務局の意見をお聞かせください。

② 安全対策の検証  *(  )内は(案)に追加する項目
1 シビアアクシデント対策 (ベント)
2 地震対策(基準地震動 新基準(2006年)によるバックチェックと耐震強化)
3 津波対策(津波想定と知見のとりこみ 女川原発との相違点)
4 事故の拡大を防止する対策(多重防護 深層防護 マニュアルの整備 運転員の訓練 発電所と本社との連携 諸判断の責任の明確化)
5 東電の安全管理(リスクマネジメント)のありかた(事故防止策 作業員の安全 住民への対応)

③ 事故時対応の検証
1 東電の対応 
2 政府の対応(各省庁の責任範囲) 
3 自治体の対応 
4 情報伝達と避難指示 
5 住民避難の実態(被ばくを防止できたか 避難先での生活状況 緊急時避難準備区域、計画的避難区域における住民の実態 安定ヨウ素剤の配布 スクリーニング)
6 モニタリングシステムの活用
7 SPEEDIの活用
8 オフサイトセンターの実態
9 食品の安全(モニタリング、規制の妥当性)
10 作業員の被ばく防護

④ 新たに判明したリスク
1 水素爆発
2 水蒸気爆発
3 使用済み燃料プール
4 炉型
5 集中立地
6 活断層とされていなかった断層の活動
7 活断層の連動

2 須貝課長は「検証をふまえて国に投げかけていきたい」と発言しておられました。投げかけ先として、東電も対象だと考えますが、いかがでしょうか? ご意見をお聞かせください。

3 立石委員の「県がこれまでどのような対応をしてきたかの検証」を求めたのに対し、須貝課長は「何らかの項目で検証していけるのではないか」と応じておられましたが、どの項目か、あるいは新たな項目を立てることも含めて、具体的なお考えをお聞かせください。

4 立石委員の「県として事故をどう考え、どうするかを示してもらいたい」に対して、須貝課長は「検証では、何がおき、何が問題だったかを問いたい。柏崎刈羽原発の安全のために検証していることを了解してもらいたい」と発言されました。このご発言と立石委員の要請との関係について、ご説明ください。

5 県民を入れた検証を、との県民からの要望を、何らかの方策を講じて積極的にいかすことが必要だったと思います。寄せられた「意見・質問」はどのようにいかされているのか、具体的にお聞かせください。

6 電子会議は最大限排し、委員会をもち、公開の場で議論してください。時間がない、急がなければならない、は厳に止めてください。年度末にできた範囲をまとめ、検証を継続することが、県民の技術委員会への信頼につながります。やむを得ず電子会議を持つ場合は、100%開示してください。

(2013年2月3日)
                                  


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